昭和区平和のつどい、 伊藤真弁護士の講演から―①―
第10回昭和区平和祭の記念講演は伊藤真弁護士による「今こそ『憲法』を学ぼう!」というテーマで、副題が~安保法制や改憲問題を考えるために~であった。
レジメがきちんと用意され、それをプロジェクターでスクリーンに投影しての講演で、大変解りやすい素晴らしいものであった。
伊藤弁護士は、伊藤塾塾長として法律家・公務員の養成を35年間やっている。その他に憲法の伝道師として全国で講演会や執筆活動をしている。講演会は2万人規模のものから15名ぐらいの小さなものまでやったという。著書は大人向けのものから幼児向けのものまで多数。弁護士として、一人一票実現運動と裁判、安保法制違憲訴訟などにたずわわっている。現在日弁連憲法問題対策本部副本部長である。
憲法を学ぶ意義を
1.憲法を使いこなして自分らしく生きる力を身につけるため(自分が幸せになるために)
2.社会のメンバーとしての役割をはたすため(社会をよりよくするために)
3.憲法改正国民投票や選挙のときに、自分の考えでしっかりと判断できる力をつけるため(未来を灰色にしないために)
《私たちは誰もが政治や憲法に無関心でいられても、無関係ではいられない》
私のコメント→選挙の投票率は下がる一方で政治なんか関係ない、安保法制など関係ない、選挙に行っても行かなくてもなるようにしかならないと考える人が多いのであろう。無関心であっても、その人の生活全てに政治も憲法も法律も関わっているのだ。空気のように見えないかもしれないが、それなしには暮らしていけない枠組みなのだ。
安倍政権は憲法改正の発議ができる2/3以上の議席を国会に占めたので、改正に向けての動きを始めた。改正に就いて伊藤氏は憲法96条を元に説明した。
憲法改正(96条)
1.この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民にていあんしてその承認を得なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2.憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体をなすものとして、直ちにこれを公布する。
第1項の中で大事なことは、「過半数の賛成」とあるが、これは「有効投票」の過半数ということだという。仮に投票率が50%であってその51%の賛成でもそれでOKなのだ。有権者の数からみれば25%超に過ぎないのだが。
さらに改正を提案する方は、必ず投票に行くようにあらゆる手段を使うだろうし、テレビやマスコミなどの宣伝広告活動も自由だから、金をふんだんに使って宣伝をするだろうという。
もう一つ大事なことは、憲法改正は丸ごとではなくて、条文一つについて賛否の投票が行われるということだ。だから安倍政権はやりやすそうなものから改正を提案して国民を慣らす作戦をとっている。
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