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2016年9月 5日 (月)

凄い労作―参院選テレビ報道の検証―⑦

5、政治的公平性への疑い――大政党に有利な扱い

 これまで、当会の選挙報道モニター報告で繰り返し主張してきたが、各政党の扱いに関して大政党偏重の時間配分が常態化しており、政治的公平性の上で問題がある。

 特にこの傾向はNHKニュース番組に顕著であった。あたかも議席数を反映したかのような時間配分の偏りが続いている。

政権与党、大政党の主張や動向の紹介が他政党より長くなることは、その政党の政策が有権者の生活に大きな影響を与えることや、関心の高さから言って,あり得ることであり、大政党も少数政党も、機械的に全く同じ時間配分にすべきだ、と主張しているわけではない。

 しかし、現状のようにこれほど大きく差をつけるのは、政治的公平性という点で問題と言わざるを得ない。

 例えば「ニュース7」の各党の公約紹介時間は、民進党は5分だった。5分あればかなりの内容が伝えられる。実際にもナレーションで主たる政策項目を紹介するとともに、記者による解説も付き分かり易いものになっていた。しかし新党改革は16秒だった。これではほとんど政策項目の羅列で終わるしかなかった。

 これから政党選択の判断をしようという有権者にとって、選挙公約の重要性は大政党と少数政党で違いがあるものではない。この差は問題だった。

 また6月22日、公示日の「ニュース7」では、 各党首の街頭第一声が自民党13秒に対し、新党改革は19秒。また、同じ日の「各党首に聞く」の時間配分でも政党間で大きな差があった。党首へのインタビューの時間配分は以下のとおりである。

 自民党安倍総裁 22分 民進党岡田代表 123秒 公明党山口代表 8分、共産党志位委員長 7分 大阪維新の会松井代表 555秒 社民党吉田党首 417秒 生活の党小沢代表 345秒、日本のこころ中山代表 421秒 新党改革荒井代表 148秒。

 これでみるように、安倍総裁インタビューが22分で、新党改革荒井代表は148秒というのはあまりに差がある。

 「ニュースウオッチ9」は、7月4日から恒例の「党首を追って」を放送した。各党の時間配分は、以下の通りである。

 自民党安倍総裁 532秒 民進党岡田代表 43秒 公明党山口代表 3分1秒、共産党志位委員長 230秒 大阪維新の会松井代表 216秒 社民党吉田党首 133秒 生活の党小沢代表 132秒、日本のこころ中山代表 1分18秒 新党改革荒井代表 13秒。小政党は自民党の3分の1以下となっている。

 この傾向は民放ニュース番組にも見られるが、現状のような選挙報道では大政党はますます有利に、少数政党はますます不利にならざるを得ない。選挙では各政党が平等にスタートラインに立つことを考えると、選挙期間中はとくに政党の扱いに公平を期すべきである。少なくとも公約の紹介や党首の演説は時間差を設けるべきではない。

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