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2016年9月22日 (木)

安保法制強行採決から1年、

 昨年の9月19日に憲法違反の安保法制が強行採決されて1年経った。東京の国会議事堂周辺では、2万数千人の人々が雨の中にもかかわらず集まって集会を開いた。

 このニュースは、NHKニュースでも小さく放送された。朝日新聞も社会面で小さく取り上げた。どちらも安倍政権に気を使ってのことであろう。本当は1年経って大々的にこの問題を取り上げてほしかった。

 安保法制が違憲であるとは大多数の憲法学者が述べていることである。心ある弁護士や学者は今もなお立憲主義を破壊して決定した安保法制を止めさせることを訴えている。

 そんな中、安倍政権は11月からの国連平和維持活動(PKO)に第11次自衛隊を南スーダンに派遣する。その中心の部隊は陸上自衛隊第九師団普通科連隊である。そして新しい任務を与えよういうのだ。それは安保法制で出来ることにした「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」の命令である。

 これは戦う自衛隊のスタートである。これまではイラクへの自衛隊の派遣でも、PKO活動が中心で、命が危険になるやむを得ざる場合のみ発砲を認められた、いわば個別自衛であった。

 ところが今度は、他国の部隊やNGO(非政府組織)職員が攻撃されたときに、自衛隊が駆けつけて戦闘をするのである。いわば集団的自衛権行使である。それにより相手を殺すことになり、更には自分たちも殺される危険があるということだ。戦争である以上それは当然起こりうることである。そのために自衛隊はモンゴルまで出かけて多国間共同訓練をするなどして訓練を続けている。

 南スーダンは政権を担うスーダン人民解放運動が分裂し、キール大統領派とマーシャル副大統領派が武力対立する内戦状態だと言われる。停戦合意は何度も結ばれても破られてしまっている。

 「PKO参加5原則」によると、そんな危険な状態のところには自衛隊を派遣しないことになっていたのだが、安倍政権は第11次隊を派遣し、武器使用をさせようというのだ。

 安保法制が成立後それがいつになるかいろいろ言われていたが、ここに来て11月の派遣からということがはっきりしたのだ。

 紛争地で活動するNPOやボランティアからは、もし自衛隊が発砲するようになれば、かえって危険になり、活動する民間人は活動ができなくなると指摘されてきた。イラクに自衛隊を派遣したときでさえ、何人もの日本人が殺されたり、誘拐されたりしたのだ。これからは日本人は敵とみなされるのだ。

 安保法制成立から1年。マスコミはもっともっと大きくこの問題を取り上げるべきである。これで発砲して相手と戦闘した時や戦死者が出たときにはどのように報道するつもりなのだろうか。まさか「敵一個小隊殲滅」とか「名誉の戦死第1号」などと書かないだろうね。

 

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