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2016年8月13日 (土)

緊急事態条項が必要というチラシに騙されてはいけない

 下の写真は美しい日本の憲法をつくる国民の会」が調布駅で配布していたという「緊急事態条項が必要」というチラシである。このチラシによると、憲法に「緊急事態条項」が必要な理由は、大規模な自然災害発生した時に、政府が速やかにスムーズに対応できるようにするものであると説明している。

 しかし、これは以前にもこのblogで指摘したように、あくまでも国民の生活を守るためのもので、何も恐れることは全くないと国民に思わせるための手口である。この説明を信じてもし憲法に「緊急事態条項」を入れたらどうなるか。かつてナチスがやったのと同じことが民主的な手続きのもとで行われ、気づいたときには手遅れになるのである。美しい日本の憲法どころか地獄の日本の憲法である。以下引用する。

 引用元:http://iwj.co.jp/wj/open/archives/309102

 憲法改正論議といえば、改憲賛成派も改憲反対派(護憲派)も、憲法9条を前提にしてきた。しかし、安倍政権がもくろむのは、憲法9条の改正ではなく、緊急事態宣言の創設である。

 2015年11月10、11日両日行われた衆参での予算委員会において、安倍晋三首相は、「緊急事態条項」の新設を重視すると明言した。

 「緊急事態」は、自民党改憲草案で新たに付け加えられた1章であり、その第99条として「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない」と明記されている。

 つまり、自民党改憲草案に示されている緊急事態条項とは、国会の事前同意を必ずしも必要とせずに、国民の各基本権が停止させられ、公権力が制限なく全権を振るえるものであり、国会は完全に形骸化され、言論報道機関も統制され、行政府が立法府を兼ね、法律と同じ効力を持つ政令を国会にはかることなく乱発できて、予算措置も取れ、期間の延長もできるという、事実上無制限の権力を行使できるものである。

 これはかつてナチスが利用した「全権委任法」と極めて酷似している。「緊急事態」の名の下で、我々の人権は制限され、憲法を変えることなく様々な法案が内閣のみで決定されていくことになってしまう。

 たとえ激甚災害であれ、災害のために、こんな危険な国家緊急権が必要なはずはない。災害時に公的機関が出動する被災地域は範囲が限定的であり、国土全土や社会の全領域を覆う必要はない。

 これは非常時にかこつけて、全権を手にする危険な非常事態宣言である。これさえ手に入れてしまえば憲法9条の改正すら必要ない。現行憲法を無効化する立法は簡単にできてしまう。

 ドイツで1933年に国会放火事件が起きた直後に出された緊急事態宣言によって、ナチスへの抵抗勢力は根こそぎにされ、そののちに全権委任法が成立した。全権委任法の導入前に、緊急事態宣言の段階で、勝負は決していたと考えられる。

 ナチスの当時の緊急事態宣言と比較しても、自民党が導入するという緊急事態宣言条項は極めて強力なもので、ナチスが全権掌握していったその轍を踏む危険性が現実的にありうる。帝国の「属国」でありながら、ファシズムという最悪の政体が成立しかねない。

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コメント

NHKの最新世論調査によると、安倍政権の内閣支持率は53%と前月より5ポイントも上昇したとのこと。支持率の高低はあまり気にしないとは言うものの、これに気をよくして、安倍内閣は政権運営に益々自信を深めるに違いない。毎度のことながら支持する最大の理由は他の内閣よりよさそうだからが40%強と一番高い。個別の政策では必ずしも支持されていないのにである。時あたかも北朝鮮のノドンミサイルが日本海の排他的経済水域に打ち込まれ、また中国公船が尖閣諸島周辺領海に公然と侵入し、挑発活動を活発化させている。こうした事態は国民を大変不安にさせ、安定政権でしっかり対処して欲しいという国民が増えるのも自然の成り行きかもしれない。

投稿: toshi | 2016年8月13日 (土) 12時04分

沖縄の高江ではオスプレイパッド(ヘリポート)建設のために全国各地から500人を超える機動隊員が、政府から派遣されて、建設に反対する住民の強制排除や生活道路封鎖をしています。オリンピックに隠れてこのような緊急事態宣言を先取りした戒厳令ともいえる国家による住民への暴力が行われていてもマスコミはほとんど報道しません。千葉県警だけで機動隊派遣に2800万円、全国規模ではおよそ2億円が国から拠出されて、沖縄の豪華なホテルに宿泊して余った時間を優雅に過ごしているそうです。機動隊派遣を決めたのは県ではなくて、国が決めたようです。国が各県知事をすっ飛ばして派遣命令を出すのはまさに戒厳令と言えますね。これは他人事ではなく緊急事態条項が成立すれば今後私たちに何が起きるかという見本のように感じます。

投稿: danny | 2016年8月13日 (土) 08時12分

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