詰まらないテレビ番組その①
8月13日夜7時から放送された「池上彰が伝えたい宗教、世界と日本の違いSP」を見た。池上彰の冠番組はこれまでに2回しか見たことがないのだが、タイトルに惹かれて観たのだ。
2時間の番組であったが、最後まで観てがっかりした。仏教、キリスト教、イスラム教の世界三大宗教についての解説であったが、高校までの教育を受け多少主教に関心のある人なら誰でも知っている程度のものであった。
しかし、ゲストの若い人たちは、そうした知識すらあまりないらしくて感心していた。室井佑月さんも出ていたが、常識的なことに感心していたので意外であった。
日本の仏教について、現在ある6つほどの宗派の名前をあげていたが、南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経の違いを取り上げただけで、真言宗や禅宗については言及しなかった。
わざわざインドの仏教発祥の地ブッダガヤまで行って現地からの録画を放送したが、その内容は、ブッダガヤにあるレリーフ壁画を使って釈迦の悟りへの道を簡単に説明しただけであった。
悟りを開いた菩提樹のある場所の映像とかスジャータの試食とかブッダガヤにはタイやスリランカや日本が建てた仏教寺院があることとかそうした映像を見せていた。
一番驚いたのは、釈迦が説いた仏教思想は「輪廻転生」であり、「解脱」とはそこから外にでることであると解説していたことである。私はそれは違うと思っている。釈迦の時代に広く信じられていたのが、輪廻転生であった。釈迦は輪廻転生ではなく、人間の様々な欲望やそれによる苦をしっかりと見極めて心の平安を得る道を説いたのであった。
また釈迦は浄土思想についても触れていない。浄土思想が加わったのはずっと後のことである。さらに釈迦は仏像のような偶像信仰にも言及していない。仏像が造られるのも釈迦が亡くなってかなり後のことである。
イスラム教の解説のために、わざわざアラブ首長国連合のドバイにまで行き、モスクや礼拝の様子やあるモスレムの家庭を訪問したりしているが、これもそこまでやるほどのことではない内容であった。
番組では、「神道」についても触れていた。日本に古来からある土着の宗教であり、神道はもともと八百万の神があるので、外来の仏教もその一つとして受け入れられたのだと説明していた。
誕生後の宮参り、七五三の祝い、初詣は神社やお寺で、結婚式は教会で、お守りは神社のでもお寺のでもOK,、葬式は仏教でというように、日本人が宗教について寛容であるのは、日本人は宗教に関心がないのではなく、染みついているからだと結論付けていた。
この番組を見て、宗教についての知識や関心がない人に非常に大まかな知識を与える程度のもので、それ以上のものではないと感じた。
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