凄い労作―参院選報道の検証―①
友人から送られてきた下記の資料が凄い。参議院選のテレビ各局の放送をモニターし分析したものである。
2016年参院選・テレビニュースはどう伝えたか
~憂うべき選挙報道の現状~
2016年8月18日 放送を語る会
目次 はじめに 1、質量ともに貧弱な選挙報道 2、争点の伝え方――改憲問題 3、争点の伝え方――アベノミクス、社会保障ほか 4、選挙「情勢報道」の偏重 「18歳選挙権」関連報道の問題 5、政治的公平性への疑い――大政党に有利な扱い 6、選挙報道に望まれること――抜本的に考え直すべき番組編成 付表1、モニター番組の選挙関連項目の有無と時間量、内容一覧 付表2、モニター番組選挙関連項目総放送時間 【資料】モニター担当者の番組評価と批判 |
はじめに
2016年参議院選挙は、与党が勝利し、いわゆる改憲勢力が3分の2を占めるという結果となった。歴史の岐路となったこの重大な選挙戦をテレビニュースがどのように伝えたか、放送を語る会は、NHKと在京民放4局の代表的なニュース番組をモニターし、その結果を本報告にまとめた。
当会としては、安保法案報道の検証に続き、これが18回目のモニター活動となる。
対象としたニュース番組は次の6番組である。モニター期間は、投票日までの約1か月間、6月13日(月)から7月10日(日)までと設定した。
○NHK「ニュース7」
○NHK「ニュースウオッチ9」
○日本テレビ「NEWS ZERO」
○テレビ朝日「報道ステーション」
○TBS「NEWS23」
○フジテレビ「みんなのニュース」
いずれもデイリーの番組(月~金、月~土、または毎日放送)で、ウイークリーの番組やこの期間中の特集番組等は対象としていない。したがって、本報告書の内容は上記ニュース番組に限ってのものであることをお断りしておきたい。
しかし、毎日のニュース番組は視聴者の生活の中に溶け込んでおり、日常的な視聴が習慣化している。その影響力は強いと考えられる。
当会がモニターに当って強く意識したのは、上記ニュース番組が、選挙の争点に関して、有権者の政治的判断、政党選択に役立つような情報を多様かつ掘り下げて提示しえたかどうか、また政党、候補者の扱いで政治的公平性が貫かれていたかどうか、であった。
結論的に言えば、これらの点で今回の参院選報道には大きな問題が残る。その内容を以下の報告で述べたい
モニターの方法は、それぞれの番組に1名から数名の担当者を決め、放送日ごとに選挙関連内容の記録と担当者のコメントの報告を求めるというものである。その報告をメンバー全体で共有し、本報告書を作成した。これはこれまでの当会のモニター方法と変わりはない。
担当メンバーは、録画した番組内容を書き起こし、録画機器のカウンターをみて放送時間量を計算するという全くの手作業で報告を作成した。専門機関の大がかりな調査ではないが、この間のニュース番組の基本的な傾向は明らかにできたと考える。
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