« 日本会議議長が「軍隊を作る」と宣言したという記事 | トップページ | 14年 前の事で鳥越氏撃墜を狙う「週刊文春」 »

2016年7月25日 (月)

改憲はやはり「緊急事態条項」―内田樹教授

 Tさんが送ってくれた神戸女学院内田教授のツイッターによると、安倍政権の改憲はやはり「緊急事態条項」からだという。一番国民を騙しやすいからだそうだ。転用可としてあるので、以下にコピペする。

 緊急事態条項を一般国民はせいぜい「大規模自然災害」のときの緊急避難的措置だと思っているはずです(与党もそう言い張るはずです)。 

でも、これは総理大臣が「特に必要があると認める」ならば、どんなことでも「緊急事態」に認定でき、それが宣言されると憲法が停止されるということです。
 
 政府が発令する政令が法律に代わる。基本的人権も立憲主義も三権分立も、すべて「緊急事態宣言」の発令中は停止されます。そして、草案をよく読めば分かるとおり、この宣言は100日ごとに国会で継続決議を繰り返せば無限に延長できます。緊急事態宣言を承認した国会議員たちは、解除の宣言を総理大臣がするまで「終身国会議員」の身分を保証されます。
 
 つまり、ひとたび緊急事態条項を通してしまえば、国会の過半数を制した政党は永遠の独裁体制を維持できる。これを変更するためには革命しかないという窮地に国民は追い込まれるのです。
 与党はまず九条、十三条、二十五条といった「論争的な条項」の改定を持ち出して国論を二分する大騒ぎを作り出す。しかるのちに「どうも話がまとまりそうもありませんから、どなたにも異論のなさそうな、この『緊急事態条項』だけを『加憲』するというとことで手を打ちませんか」と言い出す。
 条文についての些末な議論に倦んだ国民は、「それで政府が『ひっこむ』というのなら、それくらいは認めてやってもいいじゃないか」と妙な寛大さを発揮して、「大規模災害のときに指揮系統を一元化するだけのことでしょ?」くらいの理解で、国民投票に臨む・・・そして日本の立憲主義は終わる。官邸はそういう「絵」を描いています。僕がいま官邸にいて首相のスタッフだったら、必ずそのシナリオを書きますから。
 ですから、みなさんよく見ていてくださいね。これから「僕の言う通り」に官邸と与党は動きますから。 緊急事態条項というのは「憲法を停止できる場合についての規定」のことです。
 総理大臣は「特に必要があると認めるとき」はいつでも好きなときに緊急事態を宣言して、憲法を停止することができます。「認める」だけで立憲政治が未来永劫に停止できるのです。
 緊急事態とはどんな場合でしょう。「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる」
 「内乱等による社会秩序の混乱」というのがくせものです。自民党政治家はこれまでも国会外でのデモや街宣を「テロ」だという発言をしてきましたが、安倍首相はその発言を一度も否定したことがありません。デモや街宣を
 「内乱等」の「等」に認定するかどうかは総理大臣の一存で決まるのです。ナチスの全権委任法は33年に制定された4年間の時限立法でした。ですから37年に失効するはずでした。でも、当然のように延長され続け、最終的に43年を最後に国会さえ召集されなくなりました。
 全権委任というのは、よほど厳密に有効期限と範囲を規定しなければ、必ずこの前例を繰り返します。非常時に憲法を停止する国家緊急権は世界の多くの国に規定があります。けれども、その「要件」については厳密な規定があります。基本原則は「憲法を停止することによって国民が得られる利益が、憲法を停止することによって国民が失う利益を超えることが確実であること」です。

|

« 日本会議議長が「軍隊を作る」と宣言したという記事 | トップページ | 14年 前の事で鳥越氏撃墜を狙う「週刊文春」 »

憲法問題」カテゴリの記事

コメント

2090年には日本の人口が約半分に,その後もさらに減少すると予測されていますね。高齢化が益々加速されて、これ以上経済成長を望めません。無限に売れるのが兵器産業、武器輸出。そのためには常に戦争ができる軍事国家にする必要があります。でも平和憲法で戦争ができない。まずは憲法を停止か廃止して、基本的人権や集会や表現の自由を制限して、国家を最優先する憲法に変えなければならない。もちろん自分たちは高みの見物で決して危険な戦場には行かない。国民の命は消耗品で、国民の財産は国家が自由に使えるようにしたい。そのためには緊急事態法を決めることがとても重要なのですね。

投稿: danny | 2016年7月25日 (月) 10時01分

テレビ東京、日経新聞の最新調査によると安倍政権の支持率は58パーセントだそうである。何度も言ってきたがきたが、個別政策では反対意見が多いにもかかわらず、支持率は高止まりなのだ。
国民は日々の生活がまずまず送れていれば、尻に火がつかない限り、保守的になるのが常である。近隣国家には国際司法裁判所の決定に紙くずだと平然と無視する国。ドーピングを国家ぐるみでやって、恬として恥じない国。国際的な制裁を物ともせず核実験を続ける国。こんな国に対し、現行憲法だけで平和を保てるのか不安に思うのも支持率高止まりの背景にあるのかもしれない。

投稿: Toshi | 2016年7月25日 (月) 07時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 改憲はやはり「緊急事態条項」―内田樹教授:

« 日本会議議長が「軍隊を作る」と宣言したという記事 | トップページ | 14年 前の事で鳥越氏撃墜を狙う「週刊文春」 »