南シナ海 中国の権利否定は当然の判決
オランダのハーグのある常設仲裁裁判所は12日、中国や周辺諸国が領有権を争う南シナ海問題で、中国が独自の権利を主張する境界線「9段線」に国際法上の根拠はない、との判決を下した。提訴をしたフィリピンの主張をほぼ全面的に認める判決であった。
中国は南シナ海にある岩礁に実効支配を強めるために人工島を建設してきた。
スビ礁→通信施設と3000m級滑走路
ガベン礁→6階建てビル、ヘリポート
ケナン/ヒューズ礁→レーダー、9階建てビル
ジョンソン南礁→6階建てビル、機関砲
ミスチーフ礁→通信施設、3000m級滑走路
ファイアリクロス礁→3000m級滑走路
クアテロン礁→6階建てビル
判決はこれらの人工島は「島」ではないと判断したのだ。したがって12カイリの領海以外に、周辺の天然資源探査などの権利はないした。外国の船が南シナ海を公海として自由に航行できるのである。
また、中国の岩礁埋め立てで、珊瑚礁が破壊されたとして、国連海洋法条約の環境保護義務違反に当たると認定。フィリピンがEEZ(排他的経済水域)で行使できる経済的な権利を侵害し、中国船が石油掘削や漁業活動を妨害したことも認めたのである。
経済発展を遂げた中国は、その経済力を背景に拡張政策をとりつづけ、南シナ海ではフィリピン、ブルネイ、マレーシア、などの国々の権益を侵害し続けてきた。強引に岩礁にビルや滑走路を築き軍事的拠点を構築して、周辺を航行する船舶等に圧力をかけている。
また、日本に対しては、尖閣列島の領有を主張し続けている。
この中国の身勝手な行為は帝国主義そのものである。いずれはアメリカをしのいで世界の覇者になろうという魂胆であろう。中国の軍事力をちらつかせて支配しようとすることが、世界平和にとっての脅威であることは間違いない。
中国は今回の判決を紙屑だといい、軍事力で対抗すると主張した。この独りよがりの行動を、アジアや世界の国々の良識に訴えて、封じ込めることができないものであろうか。
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