The King's Singersコンサートを聴いて
男声コーラス仲間のKさんからThe King's Singersのコンサートの券を頂いた。世界一のアカペラグループだとKさんが言っていた。Wikipediaによると、1968年にケンブリッジの学生5人とオックスフォードの学生1人の6人で結成された。でもメンバーはよく入れ替わり、現在のメンバーは、
ジョナサン・ハワード(バス)、クリストファー・ガビタス(バリトン)、クリストファー・ブリュートン(バリトン)、ジュリアン・グレゴリー(テナー)、ティモシー・ウェイン=ライト(カウンターテナー)、デービット・ハーリー(カウンターテナー)の6名である。
カウンターテナーが二人もいるのに驚いたが、結成当初からそうなっていることが分かった。
会場の豊田コンサートホールに行くのは初めてであった。でも、地下鉄鶴舞線で終点の豊田市駅まで行けるので便利ではある。ただ、名鉄の乗車賃が高い。だからこれまで行ったことがなかったのだ。
豊田市駅を出るとどこかで見たような感じを受けた。東京の三鷹駅にちょっと似ていた。ホールは駅前の三号館というビルの10階にあった。エレベーターが3基あるのに下から来る人で乗れなかったりして時間がかかった。
ホールに入って素敵なホールだと感じた。正面にパイプオルガンがあって、両側にバルコニーがあった。木の色の茶色が濃いめでシックな味わいであった。ウイーンに行ったとき、ウイーンシンフォニーのホールに行ったことがあるが、1600年ごろに建てられたというあのホールになんとなく似ていた。
頂いた席は10列目で舞台が近くいい席であった。会場は満席のようであった。15時の開演で、下の写真のよううな紺の背広に赤いネクタイのイギリス紳士が登場した。舞台には6つの台がおいてあった。
オープニングは「地平線」という曲で、台の前に立って暗譜で歌った。歌いだしはピアニッシモで始まった。想定外のものであった。ときどき指を鳴らして歌った。
プログラムは、休憩までが、北米からの絵葉書、ヨーロッパからの絵葉書、日本からの絵葉書、2つのイギリス民謡、南米からの絵葉書となっていて、2曲と「川の嘆き」という曲が入っていた。前半は台の上に歌集を置いてときどきみながら歌った。
後半は、ビートルズ名曲集4曲、5つのアメリカンクラッシクであった。全部暗譜で歌った。 ときどき拍手や身振りを入れて歌った。特に印象に残ったのは、曲の紹介を全て日本語で行ったことであった。胸の内ポケットから紙を取り出して読んだが意外に上手であった。3~4人で分担していた。
日本の歌は民謡が「ドンパン節」「佐渡おけさ」の2曲で他に「竹田の子守歌」を歌った。びっくりしたのは、「佐渡おけさ」の1番の続きに「鉄道唱歌」を入れ、その後に2番を歌ったことだ。旅をするというイメージであろうか。
日本の民謡を独特のリズムとハーモニーで歌ったのは興味深かった。いい試みであった。The King's Singersの歌い方はユニークで、例えばダークダックスなどのコーラスのように各パートが同じ歌詞を歌ってハーモニーを作るのではなく、リズムを主体としたハーモニーで響きを作りだしていることであった。アカペラだからそういうのが効果的なのだろう。
もう一つはカウンターテナーが二人もいることで、女声のような高い声で歌ったのが印象的であった。全体にはピアニッシモやメゾフォルテの辺りの歌い方で大きく高く歌うことは少なかった。
アンコールにはビートルズから1曲と「ダニーボーイ」を歌ったが、ダニーボーイの前半は従来のコーラスの歌い方であった。今回、従来の歌い方はそれだけであった。
日曜の午後のひと時を豊田ホールという未知の場所で、The King's Singersというアカペラの最高峰のコーラスを楽しめたのはよかった。Kさんに感謝である。
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