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2016年6月 5日 (日)

アベノミクスの失敗を認めよ

 安倍首相は消費税10%への増税を延期することは絶対にない、「断言します」と言っていたのを6月1日には2019年10月まで延期すると決めた。「新興国や途上国の経済が落ち込んでおり、世界経済が大きなリスクに直面している。世界経済が成長のエンジンを失いかねず、世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念される」として、新しい判断だと述べた。公明党の山口代表は理解できることだと述べた。

 

 サミットでは、複数の経済指標を示して、「リーマン・ショック前に似た状況」があるかのような説明をしていた。それが外国メディアや経済の専門家からの批判によって、「現在直面しているリスクはリーマン・ショックのような金融不安とは全く違う」と前言を翻した。

 

 ダイヤモンド・オンラインの記事から一部下にを引用する。

 

 「安倍総理は、前回の3%の消費増税が個人消費を押し下げたと指摘していた。しかし、事実を確認する意味で付言しておくが、経済データをつぶさに見る限り、前回の消費増税が景気を低迷させたわけではない。当然ながら、消費税を増税した2014年4-6の消費は落ち込んだが、9-12月期以降は消費はプラスに転じている。7-9月期のマイナスは在庫投資である(4-6月期に積み上がった過剰在庫を減らしたから)。

 

 また、2015年4-6月期や10-12月期の消費のマイナスは、軽自動車税の引き上げ、冷夏、暖冬など、消費増税とは別の要因で生じたものである。2014年4月の消費増税の実施によるマイナスの影響はせいぜい半年間であり、その後景気は回復し、増税前の需要の先食いによる成長も考えれば、消費増税の影響は限定的だった。」と書いている。

 

 安倍首相自身もデフレから脱却しつつあり、大企業は好調で、雇用も改善していると胸を張っていた。それにもかかわらず消費が伸び悩んでいるのはトリクルダウンがなかったからだ。

 

 その点についてダイヤモンド・オンラインは「GDPがそこそこ伸びているにもかかわらず家計消費が伸び悩んでいるのは、労働所得が伸びないからであり、それは消費増税前から起こっていた。安倍総理は、最近の経済の低迷を消費増税のせいにしたいのだろうが、真実を直視し、アベノミクスが日本経済の構造的な問題から目をそらして的外れだったことを、素直に認めるべきだろう。」と指摘している。

 

 アベノミクスが日本の経済の状況をきちんと把握してそれに対する政策ではなかったから失敗したのだというのはその通りだと思う。

 

 ダイヤモンド・オンラインは、安倍首相は過ちを認めて謝るのが筋だと次のように書いている。

 「現在の日本経済の情勢を見る限り、リーマンショック級の危機が到来しているとは考えられず、そう考えたのは安倍総理以外にはいないが、判断と言ってしまえばそうであろう。問題は、これだけ重要なことを政府内でデータに基づききちんと議論しなかったことである。もしそうすれば、リーマンショック級を示す証拠がないと批判されるので、サミットを利用し独断で決めたのだ。延期するための唯一の説明は、総理が「以前の発言は嘘だった」と国民に対して正直に謝ることである。

 国のリーダーたる総理のなすべきことは、根拠がない屁理屈を並べることではなく、まして他国の経済状況に責任を転嫁することでもない。たとえば、『再び消費増税を実施すれば、国民生活に甚大な影響を与えるので、それは回避したい』と言って、前言を撤回することだ。

 これまでアベノミクスで経済が好調で、税収も増えていたと自画自賛していたのに、なぜ突然手の平を返したようにリーマンショック級の危機に日本が直面していると言えるのだろうか。経済財政諮問会議では、増収を育児対策などに使えと議論していたのではないか。二枚舌を使うのではなく、嘘をついて申し訳なかったと説明し、その是非は来る参議院選挙で国民に問えばよいのだ。それができないとすると、今回の延期は単なる参議院選挙対策なのだ。」

 安倍首相は、ウソを平気でつく。6月1日の天声人語にも2,3例をあげていた。「消費税値上げを再延期することはない断言する」オリンピック招致では「福島第一原発事故はアンダーコントロールされている」経済の状況を「もはやデフレではない」など。

 その他にも「トリクルダウンがある」「リーマンショック前の世界経済状況」安保法制では「必ず国民が納得のいく説明をする」などなどまだいっぱいあるはずだ。

 安倍首相は聞く耳をもたず、質問にはまともに答えずはぐらかすというので有名である。そしてウソもつくのだ。謝るべきだと言われても絶対謝らないであろう。内閣不信任案は数で否決されたが、選挙では何としてもNOを突き付けたいものだ。

 

 

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コメント

18歳が参加する今度の参議院選挙はどんな結果になるのでしょうか。

これだけ支離滅裂、論理矛盾したことを臆面もなく言い放っても内閣支持率は56%と上昇しているのだ。自民党の一強多弱状態も変化の兆しはまったくみられない。安倍総理が強気になるのもむベなるかなである。その原因は野党とりわけ野党第一党の民進党が現政権に対抗して魅力的な政策を打ち出せていない点が大きいと思われる。その意味で民主党が政権を取って3年で国民の期待を大きく裏切ってしまった失望感がまだ尾をひいているように思える。個々の政策では反対意見の方が多く、アベノミクスの恩恵を感じてないとする割合の方が多いにもかかわらず、内閣支持率が50%を超えているというのはまことに理解に苦しむ事態である。必ずしも満足してないが他よりはましと思う国民が多いのであろう。こうなってはドアホノミクスと一貫して舌鋒鋭く安倍政権の経済政策を糾弾する浜矩子氏に野党統一候補で出馬を願いたいものである。

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