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2016年6月12日 (日)

知らなかった!「士農工商」はなかったとは

 Yahooニュースを見ていたら、「最近の教科書には『士農工商』が載っていない?近年の研究で不適切だったと判明→教科書から削除」という記事を見つけた。

  「えっ、どういうこと?」と思った。私たちが学校で習ったのは「江戸時代には士農工商という身分制度が確立された」ということで、中学校から大学までそれは厳としていたし、教員になって、定年退職するまで、社会科ではそのように教えて来た。それが180度ひっくりかえったのだから驚くのも当たり前である。

  教科書から「士農工商」の記述が消えたのは、東京書籍の教科書では平成12年度からであったという。何と16年も前からのことなのだ。しかし、この16年の間に私は1度もこれに関係した新聞や雑誌の記事あるいはTVニュースなどを見たことがない。だから今日の今日まで全く知らずに間違った?ままであったのだ。

  以下記事の引用をする。

  「修正の理由は2点。1つは近年の研究成果から、『士農工商』自体が、身分制度を表す語句として適当でないと判明したことです。江戸時代の身分には、基本的に『武士、百姓・町人等、えた・ひにん等』があり、ほかにも天皇や公家、神主や僧侶などが存在。単純に『士農工商』という表現やとらえ方はされていなかったということです。
 
 もう1つは、「士-農-工-商-えた・ひにん」という、上下関係の認識も適切ではなかったことです。武士こそ支配層として上位にはなりますが、ほかの身分に支配・被支配の関係はなく、対等なものでした。また、えた・ひにんも『武士-百姓・町人等』の社会から排除された『外』の民として存在させられ、ほかの身分の下位にあったわけでなく、武士の支配下にありました。」

 確かに「士農工商えた・ひにん」の他に天皇・公家・神主・僧侶などはあった。彼らは士農工商の枠外である。町人や農民などは時代劇でもよく見られるように武士からは切り捨て御免であり、町人、農民は過酷な税や労役に苦しめられた。しかし、インドには今も現存するカスト制度のようなはっきりした身分制度ではなかったのだ。

  太閤秀吉が刀狩をして、農民と武士を区別したことに見られるように、社会的分類であったのかもしれない。

  これらの見解から、東京書籍では「士農工商」の記述を廃止。あわせて、明治維新にて「士農工商」の身分制度を改めた政策と認識されがちだった「四民平等」も、平成17年度の教科書から使用されなくなっているそうだ。

 「四民平等」も歴史の教科書では、明治政府になってそれまでの士農工商の身分が廃止され、みな平等になったと書いてあった。教科書から記述がなくなるのは、士農工商から遅れること5年である。

 他にも、かつては賄賂政治の権化のように扱われていた田沼意次が、先進的な経済戦略を備えた政治家として再評価されるなど、近年の研究成果や新説による、歴史的解釈の変更にもとづき教科書に記述が変わる例はあるそうだ。

 研究が進みそれによって従来の真実とされていたものがひっくり返ることは大事なことだ。でも、日本の侵略はなかったとか、大日本帝国憲法は正しかったとか、A級戦犯の名誉回復などの変更は絶対にあってはならない。

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コメント

 教科書から消えたほどの研究成果とはどんなものか知りたいです。文科省の深慮遠謀ではないかという人もいますが。

最近、原田伊織なる著者の「明治維新という過ち」という本や「官賊と幕臣たち」という何とも刺激的な本の新聞広告が目につく。一般の常識では明治維新は長く続いた徳川幕府の幕藩体制、鎖国政策を薩長を中心とした勢力が打ち破り、日本を近代化に導いたというのが通説であり、私もそのように歴史で教わったので何の疑いも持たなかった。しかし実はそれは真実ではないというのである。私は実際読んでないので何とも言えないが、洋の東西を問わず、争いに勝った方が自分たちに都合のいいように歴史を書くのも事実である。因みにこれらの本は福島の会津ではベストセラーになっているそうである。最近は本が売れないので週刊誌を含め奇説、珍説を出して読者の関心を引こうとする傾向があるので、にわかに飛びつくわけにはいけないが、通説が常に正しいということに疑問を持つことは必要かもしれない。

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