参議院選挙の争点は、立憲主義、安保法、そして経済だ!
7月に投票が行われる参議院議員選挙で、自民党はアベノミクスをさらに進めると選挙の争点の第一にあげた。安倍首相は街頭演説などでそれを強調している。
安倍首相が一番やりたいことは、2/3の議席を獲得して「憲法改正」を発議することだ。ところがそのことはおくびにも出さず、殊勝にも「過半数を目指す」と言っている。「憲法改正」については公約の最後に目立たないように入れてあるだけだ。
これは民進党の枝野幹事長が演説で指摘しているように、安倍自民党の姑息なやり方である。前の参議院選挙では特別秘密保護法を、前回の衆議院議員選挙では安保法制について、公約の片隅に小さく書いただけであった。そしてアベノミクスを前面に出して選挙を闘い、大量の議席を獲得した。
その後何をやったかというと、特別機密保護法の制定であり、集団的自衛権行使容認閣議決定であり、安保法制の強行成立であった。公約について問われると、ちゃんと公約に書いてあったと開き直った。
国民の政治への要望で「経済」が強いのを逆手にとって、重要な安保法や特別機密保護法などは隠して「経済」をかざして選挙をし、勝った途端に牙を剥いて立憲主義を破壊し、戦争法を作ってしまったのだ。
自民党はまたも同じ手を使っている。選挙前はあれほど言っていた憲法改正についてピタッと言わなくなった。そして公約の中にそっと忍び込ませているのだ。
民進党の枝野幹事長が言うように、3度も同じ手で騙されてはいけない。今度こそ与党と補完勢力を追い落とさなくてはならない。
参議院議員選挙の最大の争点は、「立憲主義の回復」であり、「安保法の廃止」であり、「憲法改悪阻止」である。経済については、アベノミクスは完全に破たんしたことを分からせることである。「中国や発展途上国の経済不安が世界経済に影響している」という安倍首相の論理はサミットで受け入れられなかった。海外のメディアの論評は全て批判的であった。
アベノミクスが失敗したから消費税の増税を延期せざるを得なくなったのだ。それを正直に認めず、いまだにアベノミクスを強力に進めると言っている。
自民党の参議院選ポスターは「この道を。力強く、 前へ。」テレビで誰かが「この道ってどんな道?」と言っていたが、自民党が進む道は、憲法を改悪し戦前回帰する道である。彼らが目指すのは、戦前の大日本国憲法のような憲法を持つ、富国強兵の「美しい日本」である。
もし、改憲勢力に2/3の議席を与えたら、「この道」にまっしぐらである。
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安倍政権が誕生した当初、異次元の金融政策により劇的に円安が進行し、株価も上昇に転じた。これはアベノミクスの成果だと安倍政権は大いに胸をはったものである。ところが今年に入り、円安は円高に逆回転し始め、株価もあっという間に逆戻りである。とかく批判の多い年金の株式運用も膨大な損失を発生しているらしい。(参議院選挙前には公表しないが?)しかしながらこれはアベノミクスの失敗ではなく海外要因によるものだという。私はうまくいった時も海外の動向、特にアメリカの景気上昇に助けられたと思っている。これだけ経済がグローバル化した昨今、国内の経済政策の効果は限定的なのだ。アベノミクスがうまくいっているなら消費増税をやればいい。支持率の高い一強の安倍政権で消費増税ができないなら、近い将来消費増税が実施できる政権はありえないであろう。今またアベノミクスの是非を選挙の争点に掲げるという。国民も舐められたものである。
投稿: toshi | 2016年6月18日 (土) 08時23分