2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« やっと辞めたか、舛添氏。都知事2期続いての醜態。 | トップページ | 参議院選挙の争点は、立憲主義、安保法、そして経済だ! »

2016年6月17日 (金)

大新聞が悪いというNYタイムス東京支局長の指摘

 友人が「日刊ゲンダイ3月16日」の記事を送ってくれた。「NY支局長指摘 大新聞は国民を見下している」という見出しの記事だ。ニューヨーク・タイムズ東京支局長マーティン・ファクラー氏へのインタビューである。

 

  それを読むと支局長の指摘はいちいちもっともである。以下に記事のあらまし。

 ▼3月中にも自衛隊が世界中に出ていって、戦争協力する法案が提出されることになりそうだ。国の形が完全に変わってしまうのに、日本人は関心も示さない。どう思うか?

 ●2つの大きな要因がある。

  ①自民党一強、野党不在の政治状況。

  ②メディアが安倍政権を怖がって批判を控えていること。

このインタヴューは3月のものだが、その後も世論調査では安倍内閣の支持率は高く、NHKのでは48%もある。それに4野党統一候補ができ、市民も動いているのに国民の選挙への関心はそれほど上がっているようには見えない。

 

  やはり、マスメディアが安倍政権の脅しに委縮して、正しい世論をつくろうとしないからであろう。先日の「炎上」を扱ったNHKスペシャルで一人の西洋人が「マスコミの萎縮」を指摘していた。

 ▼(メディアが)怖がっているように見えるか?

 ●見える。日本はいま、これまでとは全く異なる国家をつくろうとしている。憲法に基づいた平和主義を守るのではなく、米国や英国の仲間になろうとしている。果たして、それでいいのか。

  大きな岐路、重要な局面に立っているのに、そうした議論が何もないじゃないか。本当に不思議なことだ。

  恐らく多くの国民は、戦後以来の大きな変化が起こっていることすら知らないんじゃないか。私は何も新聞に反安倍のキャンペーンをやれと言っているわけではない。

  安倍政権はこういうことをやろうとしているけれども、そこにはこういう問題点や危険性がある。こういう別の意見もある。せめてさまざまな立場の見方を紹介して、幅広い議論を喚起することが必要なんじゃないか。

  私もblogで日本は歴史的な岐路に入ったと何度も書いてきたが、その重大さに気づいてない国民が多いのだ。その原因はマスメディが幅広い議論を喚起する努力をしていないからなのだ。指摘に大賛成である。

▼それ(幅広い議論)すら大新聞はめったにやらない。何か安全保障の問題はタブー視されているような印象すらあるが。

 ●なぜ、タブー視されるのだろうか。9・11の直後、米国では国を守るためには団結しなければダメだという危機感がメディアの批判精神を鈍らせた。これは大きな失敗であった。あの時こそ、メディアは冷静になって、きちんとブッシュ政権に問うべきだったのだ。

  本当にイラクに大量破壊兵器はあるのか。本当に、この戦争をしなければいけないのか。しかし、それをやらなかった。それと同じ失敗を日本のメディアは犯そうとしている。

  いま、日本の国家はどういう危機に直面しているのだろうか? 台頭する中国への不安や懸念? イスラム国の脅威? そんな小さなことでジャーナリズムが批判精神を失うのだろうか。

  《インタヴューの一部省略》

  (アメリカと)違うのはメディアが政府の言い分をうのみにするかどうかである。私は列強の仲間入りをしたいという安倍首相が悪いとは言わない。彼は素直に自分のやりたいことをやっている。それは就任前の言動から容易に推測できたことだ。問題はそれに疑問も挟まず、従って何の質問もせず、説明も求めないメディアの方だ。だから、安倍首相が積極的平和主義を唱えれば、多くの国民が何の疑問も持たずに“そんなもんか”と思ってしまう。ここが危険なところだ。

 イラク戦争の時の米国のメディアの萎縮と同じ失敗を日本のメディアが今直面しているという指摘に、日本のメディアはどう受け止めるのだろうか。NHKや一部大新聞のように、政府の広報機関的役割を果たしていることや、他の大新聞も国民に問題を提起しようとしないのは非常に怖いことである。このままではゆるい大政翼賛となり、間違った方向に誘導されることを恐れる。

« やっと辞めたか、舛添氏。都知事2期続いての醜態。 | トップページ | 参議院選挙の争点は、立憲主義、安保法、そして経済だ! »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

私も昨年この記事は読みました。この中で「積極的平和主義で、米国と一緒になって戦う。それが日本を守ることになる。こういう主張の政治家、官僚、学者、評論家たちは、米国がやっていることが正義であるという大前提に立っていますね。ただし、そういう人々の多くは、アーミテージ元国務副長官に代表されるジャパンハンドラーと呼ばれる人としか付き合っていない。ハンドラーという言葉は「犬を扱う」ようなイメージだというし、そのジャパンハンドラーの人々が米国を動かしているわけでもない。これは非常におかしなことだと思います。ジャパンハンドラーの人々は非常に保守的で、オバマ政権にも入っていないし、決して米国の意見を代表しているわけではありません。それなのに、自民党の政治家や外務省の官僚はジャパンハンドラ―に頼ってしまう。」と述べています。
政権に批判的な報道番組が次々と消えて、NHKは安倍政権広報局となり、大新聞も政権批判を極力控えて賛否両論併記主義ばかりですね。マスコミがこのままの状態で参議院選挙まで続けば、選挙結果はまた自民圧勝となる可能性が高くなると案じられます。国民に今の政権や憲法改悪に危機感があまり感じられないことが一番の危機だと感じます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大新聞が悪いというNYタイムス東京支局長の指摘:

« やっと辞めたか、舛添氏。都知事2期続いての醜態。 | トップページ | 参議院選挙の争点は、立憲主義、安保法、そして経済だ! »