東京旅行①―若冲展
昨年は東京に行く機会がなかったので、2年ぶりに東京へ出かけた。連休の前半は娘と婿が都合がよいというので、28日に名古屋を出た。
前日に名古屋駅地下の金券ショップで新幹線の自由席を行だけ買った。正規に買うと10015円だが9000円だった。往復買っておけばよかったのだが、片道にしたので後で後悔をする羽目になった。というのは、帰りに八重洲口の大黒屋という金券ショップに行ったのだが、たった100円しか安くならないと言われた。それで帰りは正規の切符を買ったのだ。でも、勉強になったからよしとした。
名古屋駅に行くと「のぞみ」が停まっていた。次のにしようかと思ったら、妻がガラガラだと言ったので急いで乗ったら、本当に客がまばらであった。
東京に近づくと細かな雨が降っていたので、この日の予定を変更して、上野の東京都立美術館でやっている若冲展を見に行くことにした。
上野駅公園口で降りると、雨なのに人がいっぱいであった。一体何があるのだろうと思った。取りあえず駅の上にある「ぶんか亭」というレストランンで食事をすることにした。どんなレストランか分からなかったが、人が次々に入って行くのでそれについて行った。
1300円のランチを頼んだが、量が名古屋より少なくちょっと高いかなと思った。昼時だったせいか出るときには40人ぐらい待っていたので驚いた。
都立美術館には前回も来たことがあるので見当が着いていた。動物園の隣にあった。でも、その付近に傘をさした人が群れていたので「エッ、若冲展にこんなに見に来るの?」と思った。
近づいて行くと、案の定若冲展を見るために並んでいる人たちであった。いったいどのくらいなのか、係りの人は「4列で並んでください!」と叫んでいた。別の人が「40分待ち」という札を持っていた。また、入場券を別のところで買わなくてはならないと分かった。特設の小屋があってそこで売っていた。その列に並ばなくてはならなかった。
やっと券を買ってもそれからが大変であった。人は次々と来るし、列は地下に行って館の中でも続いていた。都立美術館の会場入り口はかなり中にあるのだ。中に入って進んでもまだ20分待ちであった。
結局45分ぐらい待ってようやく入口に到着した。画廊のフロアには人があふれていた。こんな状態で観ることができるのかと心配であった。人の背中越しに観た。その内、ガラスケースの中に巻物があるところではじっくりと見ることができた。
若冲の展覧会を観るのは初めてであったが、素晴らしい絵が多いので魅了された。江戸時代の絵は浮世絵は別として、狩野派の絵とか墨絵とか文人画とかはどれも流派に一つの型があるようだが、若冲はそういうものにとらわれていない自由奔放さがあった。襖絵、掛け軸、屏風などに描かれた絵は、動物、植物、釈迦三尊などがあったが、とりわけ鶏や鶴や鳳凰、孔雀などが多く、水族館のような魚や貝類など、絵の対象が広く、色彩が鮮やかで、強い動きのある絵であった。中には漫画のようなもの、イラストのような絵もあった。
雨の中を長い間待って観た甲斐がある作品ばかりであった。入場料は65歳以上が1000円であった。
説明によると、若冲は京都の青物問屋の長男で、裕福な暮らしであったという。40歳で家督を弟に譲って、85歳まで長生きをして、最後まで楽しんで作品を作り続けたそうだ。観ている者にもそうした息吹が感じられる。
NHK総合テレビで取り上げられたが、そのせいもあって凄い人で賑わったのであろう。NHKの放送は見なかったのが残念である。
若冲展は22日までだが、こんなに人気があるのなら、全国を巡回してほしいものだと思った。
※4日にNHKで「若冲」の絵の秘密についての再放送があり、それを見て改めて若冲の素晴らしさを感じた。
若冲は下書きをせずに色を重ねて絵に仕上げていったようだがどうやって描いたのから分からないようだ。とにかく1ミリの1/4というような精緻な線や微妙な変化の色彩を作りでしている。さらにフランスの印象派より100年も前に光を取りいれて描いたという。
若冲は「千載具眼の徒を俟つ」を言ったそうだが、若冲の魅力は300年たって現代の科学の眼によって明らかにされた部分がある。
長い列上が地上、下が地下、
室内に入っても長い列
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