東京旅行⑤―指人形笑吉
野良ベンダーの個展を見たら指人形笑吉の予約に間に合うように戻った。中に入ると予約であることを告げ、500円を払った。これから一人の高齢者の似顔絵を描き始めるところであった。
「鶴瓶の家族に乾杯」で見たように人形が所狭しと飾ってあった。それらをカメラに収めた。似顔絵は簾の向うに隠れて人形だけを出して描くのだ。最初はペンで輪郭を描き、その後色を絵具でつけていくのだが、実に巧みに人形を動かしていた。描き終ったのをみんなに見せた。そっくりに描けていた。番組で鶴瓶を描いていたが鶴瓶に渡したのかと思ったら壁に貼ってあった。
3時半過ぎから指人形公演が始まった。本人が出てきて説明をした。壁にプログラムが貼ってあり11演目が書いてあった。
一番は「笑い上戸」で、指人形を両手で操って二人登場させ演じた。笑うところを面白く演じ皆も大笑いであった。2番目は酔っ払いで、ぐでんぐでんに酔った顔が赤い人形をもう一人が介抱する形で飛んだり跳ねたり面白く演じた。
3番は「魚釣り」。4番は「ピアニスト」であった。玩具のピアノを使っていたが自動演奏だとタネを明かした。5番目が「あんた」。6番は「ウオーターボーイズ」で男のシンクロナイズドスイミングであった。7番はお餅つき、おじいさんが杵を持ち、おばあさんが返しをやるのだ。小さな木の臼で面白おかしく演じた。
8番は「瓦割」で空手で瓦を割るのだが瓦に使われたのは瓦せんべいであった。そして割ったせんべいを皆に配った。9番が「けん玉」で玉を先にのせたのだが糸を引いて瞬間にのせる仕組みのようだ。
10番が「曲芸」で太神楽を演じた。最後の11番は、「50年後の冬のソナタ」であった。50年後というのは爺婆になったということだ。笑吉の指人形はほとんどが年寄りの人形であった。おそらく表情が豊かに面白く作れるからであろう。
最初に店に行ったとき、若い人が「面白すぎて笑い通しだった」と言いながら出て行った。人形を使い分けて動作も表情も巧みに演じていたが、確かに笑いのツボをよく抑えていた。
舞台がある一番上の壇にはプレスリーや八代亜紀や寅さんや鶴瓶などが10人並べてあった。
人形はすべて指で動かせるようになっている。笑吉さんは勤めを辞めた後好きな人形制作を始めて人形劇を演じるようになったようだ。
小さい時から絵を描くのが好きで、物心がついたときから絵ばかり描いている子どもだったそうだ。サラリーマンになってからも油絵を描き、子どもの絵画教室を開いたりしていたという。
絵画教室では、ときたま、工作のようなこともやるので指人形を作る機会があったという。子どものために見本を作りはじめると、自分自身が楽しくて仕方がなかったそうだ。そして油絵をやるよりも人形作りの方が自分に向いていると実感したといい、運命的なものを感じたという。
指人形師笑吉はこれまでにテレビなどの出演を何回もしてきたというが、鶴瓶の家族に乾杯を見るまで全く知らなかった。先回谷中から上野まで歩いたとき、近くを通ったのだが、引っ込んでいるので気づかなかったのだ。今回はわざわざ見に行ったのだが行ってよかったと思った。
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