参議院議員選挙は野党協力を
自民・公明の安倍政権は安保法制を数をたのんで強引に可決し、戦争への道を開いた。それに対し、野党の内民主党、共産党、維新の党、生活の党、社民党の五党は戦争法を廃案のすることで合意をした。
その後民主党と維新の党が合流し民進党となったので4党になったが合意は生きている。大阪維新の会や日本を元気にする党などはもともと自民党より右翼で、補完勢力であるから、野党と言っても事実上はアベ政権与党である。
10月19日の忌まわしい採決の後も、市民運動は続いており、SEALDsや高校生グループの「T-ns」、「安保関連法に反対するママの会」、などや、安保関連法の廃止・立憲主義の回復、野党共闘の実現などを求めて昨年12月に発足した、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」、「大学有志の会」など、さまざまな分野の市民が声をあげ続けている。
共通しているのは野党が協力して参議院議員選挙で議席を勝ち取ることを期待していることである。これに関連して、3月3日のサンデー毎日の「倉重篤郎のサンデー時評」が面白い記事を載せていた。伯仲政治を作る唯一の道は共産党の500万票を活かすべきというのだ。
亀井静香氏から聞いた話として次のようなエピソードを紹介している。
共産党の志位和夫委員長が打ち出した国民連合政府、野党選挙協力構想について、当の志位氏とこんなやりとりをした、というのだ。昨年11月のことである。
亀井氏「志位さんよ。この際共産党も覚悟を決めてやるべきだ」
志位氏「今度の選挙は無駄弾は撃ちません」
亀井氏「共産党が候補者を出さないということで野党をまとめてほしい。あんたのところが出さないと、民主党が非自民票を集めて勝てるところがたくさん出てくる」
志位氏「ただ、民主党の中には共産党に対する拒絶反応もある」
亀井氏「そんなもの気にするな。彼らは得する方なんだから。独り相撲を取ってほしい」
さらに、亀井氏は突っ込んだ。
「選挙で共産党は伸びるよ。ただ限度はある。共産党のにおいがいけない。日本人のにおいがしない」
「えー?」と言う志位氏に対し、亀井氏は国会開会式の欠席問題を取り上げた。共産党が天皇制批判の立場から「(天皇の開会式でのお言葉は)憲法で定めた天皇の国事行為から逸脱する」として戦後ほぼ一貫して欠席してきたことに対し「天皇制は合憲としながら国会の開会式に出てこない。おかしいじゃないか」と畳みかけた。
志位氏の反応は早かった。「わかりました」と即答、年末には衆院議長に出席するとの方針転換を伝え、亀井氏も連絡を受けた。実際、今年1月4日の開会式には志位氏ら幹部が69年ぶりに出席した。
亀井氏からすると、方針転換の裏には、自分の助言があった、と言いたいところなのである。面白いエピソードだと思った。今でこそ野党結集の後見役を任じる亀井氏だが、自民党にいる時はそれこそ主義主張もクリーン度も共産党とは対極の人物であったからである。今回の政局における共産党の柔軟性、本気度を測るうえでは貴重な素材ではないか。
あの元自民党の亀井静香氏が野党の協力の根回しをしたというのである。
倉重氏が共産党の志位委員長に直接確かめたそうである。
「本当に亀井さんからの助言で方針転換したんですか」
志位氏は以下の通り語った。
「実は、1年前の通常国会から検討していた。ただ、踏み切るには従来方針との整理が必要だった。(助言は)亀井さんからも他の人からもあった。今回ちょうど(方針転換に)いい時期と考えた」
亀井氏や小沢一郎氏とも頻繁に連絡を取り合っている、ということまで教えてくれた。
5野党が協力して候補者を調整するなどして参議院議員選挙では自民・公明を追いこんで、戦争法を廃案にし、立憲主義を取り戻して欲しい。共産党は積極的に動いているから、あとは民進党などがどう受けるかにかかっているのだ。是非期待に応えてほしい。
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野党5党の選挙協力をなんとしてでも実現してほしいですね。
投稿: らら | 2016年4月11日 (月) 09時58分
民進党の岡田代表は8日「さくらの木」構想(野党統一候補案)では有権者から理解されない。われわれは民進党という名前をしっかりと浸透させて、それで戦うということが基本だとして,夏の参院選の比例代表を統一名簿方式で戦う構想に「参加しない」方針を表明しました。これでは自民公明の圧勝を支援し改憲が現実となるだけです。野党統一候補なしで民進党が国民の支持が得られるという幻想から目覚めなければ、自衛隊員や国民を戦争に再び駆り出す悪夢が現実となりそうで恐ろしいです。
投稿: danny | 2016年4月10日 (日) 08時35分