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« 高校生の校外での政治活動届出不要は当然だ | トップページ | 日本のTV局への安倍政権の支配―英エコノミスト誌の記事―② »

2016年3月 2日 (水)

日本のTV局への安倍政権の支配―英エコノミスト誌の記事―①

英国の経済誌エコノミストの記事の原文と翻訳をTさんが送ってくれた。興味深い記事なので2回に分けて紹介する。

 翻訳は下記のところによるものだそうだ。

星の金貨プロジェクト

 

 この10年間日本国内の数百万の人々は、テレビ朝日の夜の人気ニュース番組『報道ステーション』で、辛口のニュース解説者古舘伊知郎氏を見るため、テレビのスイッチを入れてきました。しかし来月、古舘氏は番組を去ることになっています。

 彼はゴールデンタイムに放送されている、比較的リベラルな番組を去ることになった3人の有名なニュース解説者のうちのひとりです。番組を降りることになった3人全員が、日本の規準から見て政府の政策に厳しい立場を取る人々であることは偶然でも何でもありません。

 昨年、岸井成格氏はTBSネットワークの報道ステーションのライバル報道番組の中で、日本が海外での軍事活動能力を拡大するための安全保障関連法案の合法性について問いかけました。しかしその問いそのものは、すでに日本国内の多くの憲法学者が行なっていたものと同じ内容のものでした。

 さらに退官した法関係部門の元政府高官は、たとえ近隣諸国の軍事的圧力が増大し、日本が安全保障面での強化を行う必要があるとしても、安全保障関連法案そのものは憲法違反であることを認めていたのです。

 しかし岸井氏の厳しい指摘は国内の保守派の反感を買い、報道解説者が守るべき中立を犯したと非難する彼らは岸井氏が編集委員を務めていた新聞社への広告出稿を差し止めるよう動きました。そして現在TBSは岸井氏が番組をやめることを公表しましたが、同社は広告出稿差し止めの問題とは関係ないと語っています。しかしそんな話を信じる人はほとんどいません。

  そして第3の事件の舞台は日本の公共放送局であるNHKです。この件ではさらに名の売れた著名なニュース解説者を、放送の場から引きずりおろすことになりました。

 国谷裕子氏は20年間、調査報道による番組『クローズアップ現代』の舵とり役として活躍してきました。NHKは国谷氏がなぜ番組を去ることになったのか、理由を明らかにしていません。

 しかしNHKの関係者たちは、国谷氏が昨年安倍首相に最も近い立場にいる菅義偉官房長官に対し行ったインタビューが彼女の番組降板の原因だと指摘しています。

 菅官房長官は安倍内閣の運営に厳しい統制を敷き、さらには報道関係者のインタビューや取材に関しては、事前に詳細な内容説明を要求する事でも知られています。

 しかし国谷氏は菅官房長官へのインタビューの中でこの原則を踏み越え、新たに制定される安全保障関連法案が日本を戦争に巻き込む可能性があるのではないかと迫る大胆さを見せました それでも唾を飛ばしながら政治家に詰め寄るイギリスやアメリカの報道関係者の対応に比べれば、国谷氏の質問は予定にはなかったものの抑制が効いたものでした。

 ところが日本のテレビ報道関係者が政治家に対し強く詰め寄ることは、滅多になく、果然、菅官房長官の側近たちは激怒しました。

  テレビ朝日の古舘氏、TBSの岸井氏、NHKの国谷氏、すべてのケースが現在の安倍政権が政府批判に対していかに寛容でないかを証拠立てるものである、同じニュース解説者で岸井氏の同僚でもある佐高信氏がこう語りました。その実例としてあげたのが、2012年首相の座に復帰した安倍首相がまずやったのが保守タカ派の『お仲間』をNHKの役員に就任させたことです。

 
 国営放送の会長の座に就いた籾井勝人氏は、就任するやいなや、NHKの第一の役割は政府の方針を放送に反映させることだと主張したのです。

 FOR a decade, millions of Japanese have tuned in to watch Ichiro  Furutachi, the salty presenter of a popular evening news show, TV Asahi’s “Hodo  Station”. But next month Mr Furutachi will be gone. He is one of three  heavyweight presenters leaving prime-time shows on relatively liberal channels.  It is no coincidence that all are, by Japanese standards, robust critics of the  government.

 Last year another anchor, Shigetada Kishii, used his news slot  on TBS, a rival channel, to question the legality of bills passed to expand the  nation’s military role overseas. The questioning was nothing less than what most  constitutional scholars were also doing—and in private senior officials  themselves acknowledge the unconstitutionality of the legislation, even as they  justify it on the ground that Japan is in a risky neighbourhood and needs better  security. But Mr Kishii’s on-air fulminations prompted a group of conservatives  to take out newspaper advertisements accusing him of violating broadcasters’  mandated impartiality. TBS now says he will quit. The company denies this has  anything to do with the adverts, but few believe that.

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