岸井氏、田原氏ら高市発言に抗議
朝日デジタルに「『私たちは怒ってる』高市氏発言に抗議 岸井氏降板語る」という記事があった。「高市早苗総務相が放送法4条違反を理由にテレビ局に「停波」を命じる可能性に言及したことについて、「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)の司会者田原総一朗氏や「ニュース23」(TBS系)のアンカー岸井成格氏らジャーナリスト6人が29日、東京都内で会見を開き、「私たちはこの一連の発言に驚き、そして怒っている」とする声明を発表した。」というのだ。
安倍政権のテレビ局や新聞等への圧力と懐柔について、これまでにも何度か取り上げてきた。自民党が中心になってやっているのだろうが、公明党がそれを認めているということは同罪である。自民。公明と一部迎合野党が数をたのんでやっていることだが、民主主義、言論統制からみて非常に危険な状況になってきている。
この点について、金平氏は、「自主規制とか忖度とか、過剰な同調圧力やそれによって生じる萎縮が今ぐらい蔓延(まんえん)していることはないと、自分の記者経験から思う」と語り、すでにマスコミが安倍政権側の思うつぼにはまったことを証言している。
それについて田原総一郎氏の「高市氏の発言は非常に恥ずかしい。全テレビ局の全番組が抗議すべきだが、残念なことに、多くのテレビ局の多くの番組が何も言わない」という指摘は的を得ている。田原氏の言う通りなのだが、テレビ局も新聞も何の講義もしていないのだ。
安倍政権に懐柔されて骨を抜かれてしまったのか、或いは外国メディアが指摘するようにもともと権力に立ち向う精神が弱いのか、マスコミとの役割を果たしていないと言える。政府広報機関化するという危惧も当たっている。
この抗議へ参加した人は、次の6名である。「ジャーナリストの青木理氏、大谷昭宏氏、鳥越俊太郎氏、「報道特集」(TBS系)キャスターの金平茂紀氏に田原氏、岸井氏を加えた6人。出席はしなかったが、「週刊ニュース新書」(テレビ東京系)で司会を務めるジャーナリストの田勢康弘氏も声明の呼びかけ人に参加している。」
●青木氏は「政権と政権の応援団がメディアを非常に不当な形で攻撃してきているという事実を真剣に受け止め、黙っていられないという思いでここに来た」。
●大谷氏は「視聴者にすでに多大な影響が出ている」と指摘。東日本大震災の被災地で復興が進んでいるところを取材をしようとすると、「復興がなっていないのに、あんたがたは、そういう取材をさせられているんだろう」との批判を受けると語った。
●鳥越氏は「これは政治権力とメディアの戦争。政治権力側が一方的に攻勢を強め、メディアが後退している。ここまで露骨にメディアをチェックし、牽制(けんせい)してきた政権はなかった。下から変えていくしかない。声をあげましょう」と呼びかけた。
●岸井氏は、3月で「ニュース23」のアンカーを降板することについて、「私個人は圧力に屈したとは思っていない。具体的に私に言ってくる人はだれもいなかった。交代は局の意向」と説明した。
やや遅きに失した感もあるが、今の状況の中でたった6名にしろジャーナリストが抗議の声をあげたことは大事である。権力の言いなりにならないマスコミ関係者が増えるとこを切に望んでいる。
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沖縄辺野古和解は参議院選を有利に闘うのため休戦とは知りませんでした。
投稿: らら | 2016年3月 5日 (土) 17時52分
個々の政策では反対意見の方が多いにもかかわらず、政権への支持率は多少の上下はあるものの50%前後をキープしている。こんな例は過去の自民党政権にはなかった現象である。それもこれも野党が受け皿足り得てないからである。今回の沖縄普天間移転問題の和解にしても、昨日のニュースステーションで御厨氏が参議院選挙をにらんでの政治的休戦であると喝破していた。与党はこの問題が選挙の争点になることを避け、国民に強引な印象を
与えずして、しかし、いずれは思い通りの結果を得るのである。目くらまし作戦といってもよい。実に巧妙である。誰がこういった作戦を指南しているのであろうか。これでは野党が束になっても勝てないと見るのはあまりにも悲観的であろうか。
投稿: toshi | 2016年3月 5日 (土) 08時38分