戦争放棄を提案したのは幣原元首相
憲法第9条の戦争放棄を提案したのは幣原元首相でマッカーサー元帥がそれを受け入れたというのは知らなかった。dannyさんから教えていただいて、初めて知った。
報道ステーションンで2月26日に幣原元首相の肉声で紹介されたそうで、Youtubeにアップされているとアドレスを送ってもらった。ところがアクセスしてみると、不都合な動画だということで削除されていて見ることはできなかった。
おそらく安倍政権にとっては極めて困る事なので削除されたのであろう。非常に残念である。テレビで放映されたものが不都合だというのは理解に苦しむ。そうしたやり方をするYouTubeも権力に迎合し史実をゆがめることに協力しているのだ。
小学館発行の「少年少女日本の歴史」という漫画では、1989年発行のものには、幣原首相が戦争放棄を提案し、マッカーサー元帥が大賛成と言っている絵が載っている。しかし、1994年版には、マッカーサーが「いろいろ考えたのだが憲法には戦争放棄ということを盛り込もうと思う」と幣原元首相に言っている絵に替わっている。誰の指図でそうなったのか不明だが、12年前にはアメリカから押し付けられたということに改ざんされたことが分かる。
幣原喜重郎「外交50年史」によれば、幣原自身が次のように述べている。
「私ははからずも内閣組織を命ぜられ、総理の職に就いたとき、すぐに私の頭に浮かんだのは、あの電車の中の光景であった。これは何とかしてあの野に叫ぶ国民の意思を実現すべく努めなくちゃいかんと、堅く決心したのであった。それで憲法の中に、未来永劫そのよう戦争をしないようにし、政治のやり方を変えることにした。つまり、戦争を放棄し、軍備を全廃して、どこまでも民主主義に徹しなければならんということは、外の人は知らんが、私だけに関する限り、前に述べた信念からであった。それは一種の魔力とでもいうか、見えざる力が私の頭を支配したのであった。よくアメリカの人が日本にやってきて、今度の新憲法というものは、日本人の意思に反して、総司令部の方から迫られたんじゃありませんかと聞かれるのだが、それは私の関する限りそうじゃない。決して誰かから強いられたのではないのである。
軍備に関しては、日本の立場からいえば、少しばかりの軍隊を持つことは、ほとんど意味がないのである。将来の任に当たってみれば、幾らかでもその任務を効果的なものにしたいと考えるのは、それは当然のことであろう。外国と戦争をすれば必ず負けるに決まっているような劣勢の軍隊ならば、誰だって真面目に軍人となって身命を賭するような気にはならん。それでだんだんと深入りして、立派な軍隊を拵えようとする。戦争の主な原因はそこにある。中途半端なやくに立たない軍隊をもつよりも、むしろ積極的に軍備を全廃し、戦争を放棄してしまうのが、一番確実な方法だと思うのである。」
何とも立派な見識である。報道センターでは幣原元首相の肉声で証言されていたというからYouTubeで削除されたのが残念でならない。
その後歴代自民党首相によって歴史が改ざんされてきたのだ。
http://www.asyura2.com/16/
http://sun.ap.teacup.com/
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歴史的真実が故意に漫画にあるようにゆがめれれてしまったことが許せません。侵略にしても植民地問題にしても同じことが言えます。
投稿: らら | 2016年3月 9日 (水) 13時58分
私も幣原首相の肉声テープの話しは初めて知りました。現憲法はアメリカGHQの意を呈して誕生した。所謂、おしつけ憲法という通説、それがよかった悪かったは別にして、そのように思っていました。大変貴重な歴史的証言だと思います。私は
現憲法の精神は素晴らしいものだと思います。ただ、昨今の国際情勢、特にまともな議論が通用しない近隣諸国との関係の中で平和憲法を維持すれば平和が維持できるとは思えないのです。「諸国民の公正と信義を信頼し」は理想ですが、国際社会の現実はそうでない実態があまりにも多いとみますが。1
投稿: toshi | 2016年3月 8日 (火) 08時34分