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2016年2月 9日 (火)

増谷文雄「仏教入門」―①―

  私が大学1年の頃、名古屋の中心地の栄に「松本書店」という古書店があった。その頃は古本はまだ価値があって、古本屋に本を持っていくと、よい値で買って貰えた時代であった。

 ある日松本書店を覗いて、天井まである書棚を眺めて歩いた。そして1冊の本を見つけた。それが「仏教入門」(増谷文雄著 青山書院刊 定価250円)であった。初版が昭和22年(1947年)で、私が買ったのは昭和30年の第8版であった。買ったのは多分昭和32年だったと思う。※コロッケ1個5円、うどん1杯10円、週刊誌30円だったと思う。

 大学に入ったが仏教については全く知識がなかったので、どんな宗教か知ろうと「入門」というタイトルに惹かれて買ったのだと思う。

 読み始めて分かったことは、この本が「原始仏教」について書かれたものであるということであった。原始仏教とは釈迦が悟りを開いて説法をした大本の仏教のことである。私はそのことに非常に興味をひかれた。

 釈迦が辿りついた最初の教えがどのようなものであったかは大変重要である。現在に伝わっている仏教は長い年月と、インドから中国、朝鮮を経て日本に来るまでの距離によって、釈迦が説いたものから大きく変わってしまっているのだ。

 釈迦の教えが、弟子から弟子へと受け継がれて行くあいだに、解釈が変わったり、伝承者が自分の考えを付け加えたりしたのだ。釈迦の時代には紙や筆がなく、口伝であったから、伝える内容が変わって行くのも仕方のないことであった。

 後世の研究者たちは膨大な経典を調べることによって、釈迦の教えに迫ろうとしたのであった。増谷文雄氏は当時東京外国語大学教授で東京大学講師でもあった。

 私は最初にこの本に出会ったことが幸運であったと思っている。「仏教入門」によって釈迦の教えを知ることができたからだ。

 昨今日本の仏教は葬式仏教と揶揄されている。どの宗派も葬式を金儲けの手段と考えて、お布施と称しながら、高い戒名料や読経料を当然のように取っている。私の母の場合葬儀でお寺に出した金が110万円にもなった。

 そういうことへの批判もあってであろう、ここ数年家族葬が増え、出来るだけ簡素に済まそうとする風潮ができてきた。また葬式ビジネスの中には、僧侶派遣業も出てきて、数万円で葬儀ができると謳って批判を受けている。

 こうした変化は、日本の仏教宗派がいずれも、訳の分からないお経を読誦して済まして来たことで、僧自らの怠慢がもたらしたものである。

 釈迦は来世のことには触れていないし、祈祷をせよとも言っていない。釈迦自らを祈る対象にしてはいけないとも弟子に言っているのだ。ところが仏教ではあの世があると言い、仏像等を造って拝み、僧侶が経を読んで祈祷をする。お御籤まで売っている。

 仏教がそのような変容を遂げたことについてはその功を認めない訳ではないが、本来の釈迦の思想からは逸脱しているのだ。

 そこで私は「仏教入門」を折に触れて転載して紹介することにした。幸い著作権はとっくに切れているので問題はないはずだ。この分かりやすくて優れた本を通じて仏教の本質に触れてほしいというのが私の願いである。

 

 

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コメント

慈悲の心ですから寛容で誰をも受け入れるものだと思います。親鸞の「善人なおもて往生す。いわんや悪人おや」が示す通りだと思います。

東西冷戦が終結した後、世界は平和に向かうのではとの期待は完全に裏切られ、民族の違い、宗教の違いに根ざした紛争は絶えることはない。特にイスラム教においてはシーア派とスンニ派の対立、抗争が
中東不安定化の最大の要因になっている。欧米諸国ではイスラム教徒に対する差別、排斥の動きが起こり、例のトランプ氏は大統領に当選したらイスラム教徒を入国させないとまで放言?している。日本人にとってはイスラム教、ユダヤ教の厳しい戒律はとても理解できないのであるが、世界的には戒律のない宗教は宗教とはいえないのである。その点仏教は
誤解を恐れず言えば、融通無碍、よくいえば寛容
ともいえる。その仏教の本質について私は正しく理解していないので、碩学の解説を楽しみにしています。

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