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2016年2月23日 (火)

歯のびっくりポン② 歯磨きは食前がよい

 虫歯の治療についての西野歯科医師の考えは、今すぐ痛みを取ってほしいという場合や、ごはんを食べられなくなった場合や、歯の機能が失われたときも治療が必要だという。

  しかし、そうした緊急性がなければ、急いで虫歯を治療すべきでないというのだ。安易な虫歯の治療は、かえって虫歯の再発を招くおそれがあるからだそうだ。

  それは歯を削って詰めものがされると、その部分では唾液による再石灰化が起きづらくなるからで、歯の詰めものは一生詰めたままにする。これが歯の再石灰化を阻害するのだという。まず、虫歯の原因を見定めたうえで対処しないと、詰めものをしてもすぐに再発してしまうという。

  歯は本来、自然にしていれば脱灰したところが再石灰化して元に戻るもの。それにもかかわらず虫歯になったということは、何かしらの原因があるはずだ。その原因を見つけて、改善するという考え方が大切だと指摘する。虫歯ができたら削って詰めもので穴埋めをする、というのは応急の工事のようなものに過ぎないというのだ。

  下の表にあるような項目が、虫歯のリスクとなるものである。これらのリスクをなるべく改善するということが大切で、改善できれば虫歯は自然に治癒するというのだ。

 

虫歯の原因となるリスクの項目。「ラクトバチルス菌」は、虫歯との関わりの強い乳酸菌で、糖質から酸(乳酸)をつくる。(参考:熊谷崇企画・監修『わたしの歯の健康ノート』を参考に筆者作成)

 この中でもとくに重要なリスクはプラークだ。プラークは虫歯をつくる菌の集合体である。ミュータンス菌などの菌が“接着剤”を出して歯の表面に付き、バリアも張ってその内側で菌を増殖させていく。プラークの量を減らせば酸の量が減るので、脱灰が起こりにくくなる。

  プラークの量を減らすためには、歯磨きのやり方が大事であるという。一般に行われている食後に歯ブラシを使って歯磨きをするということ習慣は虫歯予防の点ではあまり期待されていないという。

  まず、歯ブラシを使ってもプラークを十分に落とせないという。プラークの多く付いている歯と歯の間に対しては毛先を入れても角度がないために力が加わらないのだ。単純な理屈なのだが、なかなか理解してもらえないという。

  歯ブラシについて効果的であるとする論文は1950年代以降からまるでないという話もだそうだ。

※それでも学校では一生懸命歯磨き運動をやってきたことを思い出す。

 プラークを除去するなら、歯ブラシより柄付きデンタルフロスがよい

  歯ブラシは補助的なものと考え、デンタルフロスという糸を使うのがよいという。糸だけのものより、Y字型のフォルダがついたタイプは、どんな角度でも歯に沿って糸を挿れることができるためおすすめだそうだ。糸を歯と歯のあいだの根本まで挿れたら、向かい合った歯面のいずれかに糸を当て、力を加えながら持ち上げていく。プラークは力を入れないと取れないという。

  プラークを取り除くための歯磨きは、できれば食後でなく食前にすべき

  食前に歯磨きをして口の中の菌を減らしておけば、食事で糖質が与えられても菌が減っていて酸が生じにくくなるからである。

  食事の後でなく食事の前に手洗いをして、手についた菌を取り除いてから食事をするのと同じで、口の中についても、できるだけ菌を取り除いておけば、酸は増えにくくなる。私(西野歯科医師)は、1日に1回、夕食などの食事の前に10分ほど歯ブラシやデンタルフロスで少々力を入れてプラークを取り除くようにしている。

  食後は口の中が汚れるから、食後に歯磨きをするというのも理にかなっているようだが、 プラークを掃除しないで食べた後は酸性度が高まる。当然、歯は脱灰されダメージを受けることになる。だから食事の前にプラークを掃除すべきである。プラークがなければ、食べかすは問題を起こさない。食後の歯磨きは「汚れ=食べかす」というイメージからきているのだ。

  歯磨きには、プラークを取り除く目的(1日1回)と、食べかすを取り除く目的(食後)がある。一般的に、食べかすは目に見えるので気になるが、プラークは目に見えないのでおろそかになりがちなのだ。

  「プラークは歯に接着するものなのでごしごし取り除く。食べかすは歯に接触するだけのものなのでさらさらと取り除く」と覚えてほしいという。

 ※歯磨きを1日1回食前にデンタルフロスを使って念入りにプラークを取るということはまさにびっくりぽんである。歯科医はデンタルフロスの使用を勧めはするが、西野氏のような具体的な指導はしない。私が行く歯科医は歯を歯ブラシを使って丁寧に磨くことと、歯間ブラシかフロスを使うことと、定期的クリーニングである。

 私は歯ブラシと歯間ブラシを使っているが、デンタルフロスは使ってはいない。これからは改めようと思う。

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