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2016年1月13日 (水)

山田厚史の「世界かわら版」からー①―

ダイヤモンド・オンラインに山田厚史の「世界かわら版」というのがある。1月7日に、「『分配』を言い始めた首相のあせりに透けるアベノミクスの失敗」というたいとるの記事が載った。

  これまで「成長」を言い続けてきた安倍首相が、4日の年頭会見でも「成長と分配の好循環という新しい経済モデルに挑戦していかなければならない」と語ったように「分配」と言い出したというのだ。

  私も何度もこのblogで批判してきたが、「ピラミッドの頂点にいる大企業が儲かれば、富はおのずと底辺にまで滴り落ちる」というトリクルダウンがアベノミクスの神髄であったはずだと山田は指摘する。その通りである。

  「企業を利すれば賃金や設備投資が刺激され、好循環が起きる」という理屈で、大企業を優遇し、円安に誘導し、法人税を軽減し、大企業は大きな利益を得、350兆円という内部留保を抱えるまでになったのだ。

  山田は「トリクルダウンが起きていないことは、誰の目にも明らか。しびれを切らした首相は、財界に「賃上げしろ」「設備投資を増やせ」と言うようになった。利益を溜めこむな、吐き出せ、というわけだ。首相の言う「分配」とはこれなのか?」と疑問符を投げかける。

  続けて、「『携帯電話の通信料金が高すぎる』と業界を叱ったり、経団連・連合を交えた政労資協議会で経営側に春闘ベアや設備投資の積み増しを要請するなど、介入姿勢を鮮明にしている」ことを、「『正しい者の味方』を演ずる啓蒙的君主にも見えるが、権力者である首相のこうした振る舞いは、思うように政策が進まない『焦り』の現れではないか。」と言っている。

  年間80兆円もの日銀マネーを市場にぶち込むという「びっくりぽん」の金融緩和によって成長を促す第一次アベノミクスは、市場機能による好循環を目指すものであった。しかし期待したインフレは起きず、成長も期待外れであった。

  それについて山田は、「賃金が上がらないから個人消費が振るわない。設備投資が湿ったままで波及効果が起きない。」と指摘する。賃金が上がったのは一部大企業だけであった。

  山田が書く次の比喩が面白い。「政府と財界の摩擦は、『仲良しのじゃれ合い』に過ぎない。お代官様のような首相が、越後屋風情の経団連会長に、上から目線で指図しているように見えるが、実際は逆だ。越後屋がほしがる施策をお代官様が実行する関係である。

  自民党が政権に復帰すると経団連は政治献金を再開した。企業の「社会貢献活動」だという。各党の政策を評価し、社会に有用と思う政党にカネを出す。そんな体裁をとって自民党にカネを出すのはいかにも越後屋だ。」 そうだ、そうだ、と言いたい。

 

 

 

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コメント

 戦後初めての6日連続下げで、下げ幅も大きいです。アベノミクスの失敗を象徴しているみたいです。
 GPIFはおそらく8兆円ぐらいは損をしていると思います。下がる前は5兆円余でしたから。
 それでもGPIFの資金を株に直接投資できるようにすると今朝の新聞が伝えました。

投稿: らら | 2016年1月13日 (水) 10時03分

安倍内閣が高支持率を維持してきたのは株価の上昇によるところが大きい。株価連動内閣といわれる所以である。ところが今年の年初から6日連続の株価下落は目を覆うばかりである。
株価上昇の時はアベノミクスの成果といい、今の下落局面は海外要因なのだからオタオタすることはないと先頃、麻生財務大臣はコメントした。日経平均は今年の前半は参議院選挙もあるので上昇し、22000は窺えると予測した識者も多かったがこの有様である。今年からジュニアニーサまで登場し投資を官民挙げて推進しようとしているが、罪深い政策である。ところで今現在、GPIFが株式につぎ込んだ運用損益はどうなっているのであろうか。

投稿: toshi | 2016年1月13日 (水) 09時25分

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