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2015年12月16日 (水)

安保関連法案国会審議・テレビニュースはどう伝えたかー⑫―

◆参院特別委での強行採決をどう報じたか(モニター担当者917日の報告より)

 「ニュース7」

 「参院特別委の強行採決の際、自民党議員が議長席に殺到して議長をガードし、そこで質疑打ち切りの動議が出されたのが事実の流れだったが、ナレーションでは、『一気に議員たちが議長席に押し寄せた』としていた。野党議員が議長席に殺到したのは、すでに与党議員にガードされた後であった。

  驚くべきことは政治記者の解説で、委員会採決の混乱について、原因は野党の強硬な反対にあるととれるコメントがあった。混乱の責任は野党にあるとのニュアンスは問題だった」

 「ニュースウオッチ9」

 25分弱の時間を割き法案採決をめぐる動きを詳しく伝えたが『強行採決』の表現はなかった。国会前の抗議集会は、河野キャスターが参加者にインタビューするなど、比較的丁寧に伝えた。記者の解説は珍しく野党の対応を中心に扱い、いつもの政府与党の思惑や方針の解説とは一味違って人々の関心にも沿っていた。しかし、大きく広がる抗議の声を一顧だにせず強行採決に走る与党への批判、違憲法案への疑問には全く触れず、メディアとして立憲主義、民主主義への危機感が弱いことはいつもどおりだった」

 「みんなのニュース」

 「およそ3時間というニュースの枠を存分に使い、時間を追って詳しく伝えた。ただ、特別委で採決が行われたと伝えた部分で、キャスターが“野党議員が委員長席に殺到”と何回も伝えたのは問題だった。

 民主党議員の証言や画面で見る限り、先に自民党席から議員が殺到したというのが事実であり、 “野党議員が殺到”と明言したのは正確ではなかった。委員長の一連の発言や法案の可決宣言は中継画面でも全く聞こえなかったが、1632分には速報テロップで“安保法案 可決”と伝え、キャスターも同様にコメントした。こうした混乱の中で情報が錯綜する場合、決定的な事実が確認されるまでは、“誰それの情報によると”というエクスキューズを入れて伝えるのが普通だが、今回はそういった確認の手段を全くとらず、情報の出所が分からない不確実な情報をそのままストレートに伝えた」

 「報道ステーション」

  「参院特別委で強行採決があった歴史的な日に「報道ステーション」は、CMを除いても43分の時間量で安保法案関連の動きを伝えた。これは「ニュースウオッチ9」の時間量の倍以上になる。CMを除けば全体の時間は2番組でそれほど差がない。そう考えると、問題の重視の姿勢で、どちらが公共放送かわからない。この日の「報道ステーション」ではいくつか評価できる編集がある。『採決』に至る委員会室の混乱を、そのままナレーションなしで、視聴者の判断材料に提起したこと、国会外の集会の参加者の声を丁寧に取り上げていたこと、また、委員長不信任動議の理由説明の福山議員の発言に、前後矛盾する安倍首相、中谷防衛大臣の過去の答弁を組み込んだことなど、力の入った報道だった」

 「NEWS23」

 「強行採決関連の報道は3141秒の長さ。国会内の混乱した状況のレポートの間に、全国各地の安保法案反対の集会、デモ、集会参加者のインタビューを紹介している。東京品川商店街、北海道、福島県、大阪市、京都、広島、国会前集会など安保法案反対の動きを伝えた。

  スタジオゲストの国際政治学者藤原帰一氏は、解説で、「イラク戦争では、集団的自衛権を認めているアメリカの同盟国のフランス、ドイツは派兵しなかった。日本はアメリカがやってきたらハイと手を挙げる、それが問題」と指摘した。この日、SEALDsの奥田愛基氏も出演している。そのほか元海上幕僚長の古庄幸一氏(賛成派)、東大教授石川健治氏(反対派)が登場した」

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