安保法案国会審議・テレビニュースはどう伝えたかー①―
友人のKさんから「安保法案国会審議・テレビニュースはどう伝えたか」という「放送を語る会」の労作が転送されてきた。
2015年5月11日~9月17日までのテレビの動きを検証したものだが、このような検証をするのはすごいことだと感動した。拡散してもよいということなので紹介することにした。
目次
はじめに
1、国会審議期間中の対象ニュース番組全体の傾向
2、ニュース番組は法案の問題点や政府・与党の動きにどう向き合った
か
3、法案に関連する重要事項について、独自の取材による調査報道は
あったか
4、市民の反対運動が、その規模に応じて適切に紹介されていたか。ま
た、識者
の法案に対する言論などがきちんと伝えられていたか
5、今後、「安保法制下」のニュースに望むこと
付表1、NHK「ニュースウオッチ9」が報道しなかった事項
付表2、安保法案に反対する市民の主要な行動と報道の有無
はじめに
2015年9月19日未明、安倍政権は安全保障関連法案を強行成立させた。法案は、集団的自衛権行使容認の閣議決定に基づいて、自衛隊の海外での武力行使に大きく道を開き、日本国憲法下の戦後政治の大転換をもたらすものであった。
法案が閣議決定された5月から9月27日の国会会期の終了まで、5か月にわたる国会審議をめぐって、法案自体の批判、検証の必要性はもとより、立憲主義、国民主権の侵害、破壊、といった問題も提起され、同時に国民各層に拡大した反対運動もまた、60年安保闘争に比肩する規模と評価された。
激動と言ってよい政治過程で、問われた問題は多岐にわたる。このような重大な歴史的時期に、報道機関はどうあるべきだったか、とりわけ影響力の強いとされるテレビニュースが、どのようにこの政治過程を報じたかは、どうしても記録し、検証する必要があった。
本報告は、放送を語る会が5月から9月まで、NHKと民放キー局の代表的なニュース番組をモニターした結果をまとめたものである。
当会は、この活動を通じ、報道機関がジャーナリズムの本道に従って権力を監視する姿勢を貫くことができたか、また、市民の政治的判断に資する多様で多角的な情報や意見、見解を提供し得たのか、番組を視聴し、記録した内容を通して考察することを試みた。
対象としたニュース番組は次の6番組である。
○NHK「ニュース7」
○NHK「ニュースウオッチ9」
○日本テレビ「NEWS ZERO」
○テレビ朝日「報道ステーション」
○TBS「NEWS23」
○フジテレビ「みんなのニュース」
放送を語る会のモニター活動は、2003年のイラク戦争の報道モニターから数えて、今回で17回目となる。これまで原発災害、衆参の国政選挙、TPP、秘密保護法、集団的自衛権閣議決定などの重要な国政の動きがあるたびに、テレビ番組のモニターを実施してきたが、今回はかつてなく長期のモニター活動となった。
« 原節子さんが亡くなられて | トップページ | 安保法案国会審議・テレビニュースはどう伝えたか―②― »
「マスコミ」カテゴリの記事
- メディアは自民党有利の加担をするな(2021.09.28)
- 自民党総裁選ばかりの報道にうんざり(2021.09.20)
- NHKへの苦言「恥ずかしい」と思え(2021.05.04)
- メディアの過剰な尊敬語使用(2021.04.24)
- NHKは政権の言いなりになるな!(2021.03.05)
コメント