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« 余りにも残酷なパリの同時テロ | トップページ | 「クローズアップ現代」終了と籾井NHK会長―③― »

2015年11月18日 (水)

「クローズアップ現代」終了と籾井NHK会長―②―

 上村達男早大法学部教授の話

■反発する者は押し潰す

 私(上村達男早大教授)は『クローズアップ現代』打ち切りについては耳にしていませんでしたが、番組には出演しましたし、キャスターの国谷裕子さんを高く評価していますので、まさか、という思いです。国谷さんも、内心ではさまざまな思いがあるでしょう。

 籾井会長は、番組に口をはさみ、潰すことが自分の権力のアピールだと考えかねないような人物です。そんなつまらないことのせいで、報道番組に割かれる時間が減るようなことは、あってはならないと思います。

 NHK内部はいま、ものごとの筋道や手続きを軽んじ、トップに反発する者を押し潰そうという「反知性主義」に冒されていると見られても、仕方ない状況にあります。本来ならば、「不偏不党」を体現すべきNHK会長の地位が、それと正反対の人物に乗っ取られてしまっている。動揺し、苦しんでいる職員がたくさんいるのです。

 経営委員を退いたいま、NHK内部の問題について発言するのは、気が重いことです。しかし誰かがやらなければ、取り返しがつかなくなる。私はそう思って今回、声を上げることに決めました。

 籾井会長と初めてお会いしたのは、おととしの12月20日に行われた、経営委員と会長候補者の面談です。私は、彼の言葉遣いが少し乱暴なことに違和感を抱きましたが、任命には賛成しました。実はこの面談の際、女性の経営委員の間から、「この人で大丈夫かしら」という声がすでに出ていたんです。女性の勘は鋭いですね。

 NHK会長の職は、内部昇格でなければ大企業の幹部クラスの方にお願いするのが通例ですが、嫌がられることが多いんです。責任は重いし、不祥事があると国会に呼ばれて袋叩きにされるのですから。

でも籾井さんは面談のとき、満面の笑みで「うれしくて仕方ない」という様子でした。終始ニコニコしながら、「放送法を遵守する」と、何回も言っていましたね。

■「大人」にふるまえない

 年が明け、昨年1月25日に行われた会長就任会見で、私は驚愕しました。

 籾井会長は、この会見で「(NHKの)ボルトとナットを締め直す」と言いました。その時 、まだ彼はNHK内部のことをまったく知らなかったにもかかわらず、そう発言したんです。

 誰かに前もって「NHKというのはとんでもないところだ」「最初が肝心だから、ガツンとかましてやれ」などと吹き込まれていたのではないか、と疑われても仕方のない発言です。世間の人も、そう感じたのではないでしょうか。

 私はその後、同年3月11日に行われた経営委員会で、「(籾井会長が就任会見で述べた)『右と言われたら左と言えない』という発言や、特定秘密保護法案について『通っちゃったのだから』など、この種の発言は、NHKのトップとして間違っている」と、籾井会長を批判しました。彼は「政府の言うとおりに放送する」と言っているに等しいわけですから。

 私の批判を聞いた籾井会長は、相当腹を立てたようで、次の3月26日の経営委員会に、反論を書いた紙を持参してきました。私は残念ながらその紙を持っていませんが、口をきわめて私を批判するような、すさまじい内容だったのは間違いありません。

 しかし籾井会長は、その反論文を読み上げようという段になって、いきなり「ここからはオフレコにしてくれ」と言うのです。それで私が「オフレコなどとんでもない」と言うと、今度は「じゃあ読むのをやめる」「(反論が)公表されると、マスコミの餌食になる」と言い出しました。

  経営委員に対してさえこの調子ですから、NHK職員に対して、普段どれほどひどい対応をしているか、想像がつくというものです。何せ、理事に対しても「お前なー」という言葉遣いなのです。常に上下関係や敵味方の関係でしか、物事をとらえられないのです。

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コメント

前にも書いたと思うが、日本を代表する総合商社、三井物産で社内では決してメジャーでない九州大学
出身で副社長まで登りつめた人物だけに相当なやりて、手腕家であったことは想像に難くない。ただ、大企業で大出世した人物が人格、識見にもすぐれているかというと必ずしもそうではない。むしろそうでないことの方が多い。何よりも企業では業績を挙げることが一大評価要因であるからだ。最近の東芝をはじめとする、有名大企業の不祥事をみてもそれは明らかと言える。渡辺一雄の「悪い奴ほど出世する」という本があったが、かなり説得力があったことを覚えている。籾井氏が悪い奴かどうかは知らないが、私の尊敬する丹羽宇一郎氏とは異質の人物のように思えるが、、、。

籾井会長というのは自分の出世欲ばかり強い人で、上からの命令にはとても従順で、部下に対してはとても傲慢な態度を取る人だと強く感じます。NHKと言う公共放送を私物化して、自分の経営する会社感覚で、会長と言う地位をお山の大将になった気分で、自分の思い通りに動かない部下を怒鳴りつけ、安倍政権から言われるままに、ニュースの内容まで放送前に部下の管理職にクレームをつけて、委員会中継や法案反対の意見やデモを流すことを許さず、世論を法案賛成に誘導した罪はとてつもなく大きいと思います。PS:昨日お送りした資料は11月15日日曜日の新聞広告です。日付を付け忘れていました。

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