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2015年9月28日 (月)

シールズへのインタビューー⑥―

【奥田】:震災が起きた時に、どんな映画とかどんな小説よりも断然、現実の方が悲惨。そのあとには、「日本社会はありとあらゆるものが終わった」みたいな話がポーズにしか見えなくなった。

 【牛田】:そうそう。でも国会前に来てる人で絶望してる人はいないと思うんですよ。だってあんだけ、若い人たちが国会前にいて、当事者として、主権者として、この社会を見直そうとしてるんでしょ。もう希望しかねえじゃん、って俺は思ってる。

 ──それはねえ、憎らしいほど見抜かれてる(笑)。

 【植田】:たとえこの法案は通ったとしても、私の生活はまだ続いていくから絶望してる場合じゃないんですよ。バイトしなきゃ。稼いで生きていかなきゃいけない。

 ──そうして、生きていく限りは「主権者」だと。

 【植田】:そう。この社会とつきあっていかなきゃいけないわけだから、そうやって絶望する暇があったら、ご飯を食べたい(笑)。

 【牛田】:時間のムダなんですよ、絶望するのは。

 

──たしかに。そうやってどんだけムダにして来たか。

【牛田】:でも絶望してる人たちって、諦めきれない人たちでもあるでしょう。この絶望的な状況を諦めきれないっていうか。俺らは最初からそうなんで受け入れてる。社会がダメなんてことは当然で、もう諦めてるんですね。

【奥田】:震災の後、「ヒミズ」が映画になって、見ちゃったら絶対落ちるだろうと思ってみなかったんだけど、結局見ちゃって、でもラストが漫画と全然違ってたんで、あとで園さんに「どうしてああいうふうにしたんですか?」って聞いたら、「希望に負けました」って言われた。諦めることを諦めたって。

【牛田】:諦めることを諦めるって超重要なんですよ。絶望なんてくだらねえなって笑い飛ばす。

【奥田】:「守りたい普通」とか「守りたい日常」とか言ってたけど、すでに日常だいぶヤバいぞって。日常自体が壊れている。それでも生きていかなきゃいけないんだっていうのが勝つ(笑)。

 ──絶望も捨てたもんじゃなかったんだ。

 【奥田】:今日、高校生がコールしてたけど、彼らはもうこういうことすらいわないんだろうなって思う。社会が絶望的で、とか、バブル崩壊がどうしたとか。
 
内向的で鬱屈的な高校生とか、俺らが読んでたものにはスタンダードだったけど、あの子たち見てると、もうこれが当たり前で、絶望的な中でも、また絶望しても立ち上がれちゃう。
 
ただ、少子高齢化とか年金のこととか、くそみたいなことばっかりだけど、それが新しい状況とも思わないんだろうな。

 

──SEALDsも、安保法制だけで終わる予定ではないんですね? 

【奥田】:そうです。安保法制が通ろうが通るまいが、主権者であることには変わりないし、民主主義の問題は俺たちの問題であることも変わらない。安保法制だって、通ったあとも俺たちの問題なんですよ。次の選挙も、結局その主体は俺たちなんだと、そのことが信じられるんであれば、絶望する必要ないでしょう。まだやることいっぱいある。

 【牛田】:安保法制通ったあとで、みんな死ぬわけじゃないから。

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コメント

 安倍首相は安保の後は「経済」という過去のジンクスにすがろうとしています。3本目の矢があいまいになったまままた新しい3本の矢というのは無責任です。

投稿: らら | 2015年9月28日 (月) 14時45分

本当にdannyさんのおっしゃる通りで彼らは素晴らしい若者たちです。安倍首相のお蔭というのは皮肉ですが。

投稿: らら | 2015年9月28日 (月) 14時42分

安保法制が国会で成立した後、安倍政権はアベノミクスが新しいステージに入ったと宣言し、一億総活躍社会をスローガンのもと、新3本の矢を打ち出した。それをいうなら当初の3本の矢はどうなったのか。その総括もなく新しいステージに入ったとはどういうことなのか。安保法制が成立した後、国民は
やがて怒りを忘れて沈静化し、政権支持率は回復する。それには経済の問題に真剣に取り組む姿勢を示せばよい。政権の意図は明白である。随分国民も舐められたものである。現政権にとって替わる信頼できる受け皿がない以上、残念ながらこの筋書き通りにになる可能性は大である。

投稿: toshi | 2015年9月28日 (月) 08時30分

首都圏反原発集会で奥田愛基さんの言葉です。「民主主義は、制度だけではなく、他者と生きていく能力のことだと思う。何もしなければ劣化してしまうもの」「民主主義は参加しないと劣化する 」言われてみれば当たり前のことですが、私たち中高年世代が意識としてありながら、実際には彼らほど声を上げて行動しなかったことに今日の状況があるのではと思います。SEALDsの皆さんはアメリカの公民権運動で黒人差別撤廃の先頭に立ったキング牧師の「最大の悲劇は悪人の圧政や暴力ではなく、善人の沈黙である」という言葉を大切にしています。沈黙は暴力の陰に隠れた同罪者であるという指摘や、戦争体験者の話を忘れずに心に刻むという彼らの生き方が素晴らしいと思います。

投稿: danny | 2015年9月28日 (月) 08時27分

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