シールズへのインタビューー①―
友人が送ってくれたシールズへのインタビューを起こしたものです。作成されたのは横田忠夫さんという方です。大変な労を取られたと思うのです。せっかくだから紹介させて頂くことにしました。
安倍政権は安保法案を今週可決しようとしています。日本の将来に禍根を残す大変なときです。シールズのインタビューは勇気を与えてくれます。
温かく緩やかな「ユナイト」の兆し
──シールズ、インタヴュー
取材・写真:水越真紀
Sep 10,2015 UP
デモで政治を変えられるか? 橋下某に言われなくたって、そんなの無理だと分かっている。だけどデモに変えられるものはたしかにある。それは人びとの、つまり「主権者」の考えや心だ。そして、つまるところそれだけが民主主義を護っていく。
イラク反戦デモをやっていた時、日本のデモはしょぼかった。警察がデモ隊の隊列を250人ずつに分けさせるのでしょぼく見えたということもあったけど、全体の人数だって欧州の都市に比べたら全然少なかった。それでも、世界のどこかでもっと巨大なデモが起きていることが遠い国の私の勇気にもなった。そういう効用がデモにはある。ので、私はなるべくデモの「アタマ数」になろうと思ったのだった。
「シーズルのデモは新しい」と言われる。この15年くらいだけど、アタマ数になって来た私から見れば、いつのデモだって新しかった。やってる人たちだって若くなっていってた。「左翼は互いの違いについて語り合うばかりで、ひとつにユナイトしないから勢力を失い、世の中を変えることが出来なくなった」(ブレイディみかこ『ザ・レフト』)──これは英国の映画監督ケン・ローチの言葉だと言うが、日本でもまったく同じだ。いつだって新しいデモがでてくるたびに、なんだかんだと“苦言”が登場するんだ。
SEALDsは「見せ方」にものすごく拘っている。広告代理店みたい? いや、こう見えてもいままでのデモだってそういうこと考えてはいたんだ。だから「画期的!」と思えるのは、そういうところでもなくて、名前でも素顔でも露出しまくる彼らの“素”が琴線に触れることではないかと私には思える。デモは政治でもあり、ポップ・カルチャーでもある。その効力は緩やかだが、デモのない社会の民主主義は衰えていくばかりだ。
92年生まれの奥田愛基、牛田悦正、小林卓哉、95年生まれの植田千晶に聞いた。国会はもう最後の攻防、強行採決はまもなくだろう。そのことも含め、デモについて、安保法制について。
大学生の彼らの、高校生のデモ参加者への視線が、大人たちのSEALDsへの視線と重なり、温かく緩やかな「ユナイト」の兆しに思えた。
──まず、この間、安保法制反対のデモンストレーションをして来て、個人的に得たものと、この社会が得たと思えるものについて、それぞれの考えを聞かせて欲しいんです。
【奥田愛基】:得たものかー。失くしたものだったらいっぱいあるんだけど(笑)。時間とか……。
──それは次の機会にぜひ(笑)。
【牛田悦正】:僕は哲学の研究者になりたいんですけど、なにかを研究する時は観察者視点で上からものを見てやることになるんです。でも運動に参加して、行為者になって、“よく分からなさ”というか、“先が見えない中で動く”という視点を獲得したというか……。なんかギャンブルなんですよね。
上から観察するのは分かりやすい、“分かる”ためのことなんですが、実際にプレイヤーとして、行為者になって率先してやる時には先が見えないし、よく分からない。でも分からない中で、「それが原因なの?」みたいなことが原因となって社会が動いていく。ということを学んだと言うか……抽象的なんですが。
どうです? (奥田に向かって)助けてくれ。
【奥田】:あと社会が何を得たか。
【牛田】:あ、社会が何を得たかっていうと、やっぱり自分が主体になるということ。当事者になって動こうという人が増えて来たことは社会的にとても良いと思っています。
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