安倍政権の本音をポロリ、磯崎首相補佐官
安倍首相の側近で、安全保障関連法案の作成にあたった磯崎安全保障関係首相補佐官の発言は、安倍政権の本音を露呈させたものだ。
講演で「考えないといけないのは、我が国を守るために必要な措置かどうかで、法的安定性は関係ない」と述べた。
これは我が国を守るために必要な措置は集団的自衛権行使容認で、そのためには安全保障関連法案が法的安定性に欠けようがどうしようが構わないということである。
安全保障関連法案が法的安定性に欠けるというのは、憲法違反の法律になるということでる。つまりこの法案が法的安定性を持たないということを認めたことになる。
しかし、もっと大事なことは、法的に疑問があろうとなかろうと集団的自衛権行使ができるようにし、アメリカ軍に加わって戦争が出来るようにするという仕組みが大切だと言っていることだ。
7月28日、大学の憲法研究者が「安保関連法案の強行採決に抗議するとともに、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」を204名の連名で発表した。
衆議院での法案審議と強行採決は「議会制民主主義に反する」と強く抗議し、法案が憲法9条など憲法規範に違反し、危険性が明らかになったとして、速やかな廃案を求めたものだ。
磯崎首相補佐官の発言について、永山茂樹東海大学教授は、
「法的安定性の軽視とは、憲法だけでなく、法秩序自体や法に基づく統治のあり方を軽視することだ。立憲主義の否定や憲法への無理解といった姿勢が象徴的に表れた発言だ」
と批判した。私は”憲法への無理解”ではなく、”憲法無視”の姿勢をあらわにしたものだと憤りを覚える。
片山元鳥取県知事(現慶応大教授)が報道ステーションで、「勝手に憲法解釈を変えることは、将来徴兵制も解釈で可能にすることにつながる」と指摘した。
30日の朝日「声」欄にも似たような危惧を書いている人がいた。磯崎首相補佐官の発言は看過できないものであり、安倍政権の危険な姿勢を示したものでもある。
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