「不満を無視すると学会は崩壊」という元公明党副委員長
スマートニュースを見ていたら、興味深いインタビューがあった。田中龍作という人が元公明党副委員長の二見伸明氏にインタビューしたものだ。
安保法制成立のカギをにぎる公明党に、支持母体の創価学会が反発を強めている。戦争法案に反対する街頭署名やネット署名も活発化し、反乱は表に出てきた。それで二見氏に見解を聞いたというものである。
まず、公明党の北側氏は、自民党高村氏と安保法制について煮詰めた人だが、安保法制に賛成に回ったのは、先の衆議院選挙に維新の橋下大阪市長や松井大阪府知事などが、公明党を阻止するために出馬すると言っていたことに関連するというのだ。
もしそういう事態になれば北側氏などの当選が危うくなるので、菅官房長官が「維新を下す代わりに都構想の住民投票に賛成するように」と言ったのだという。公明党の選挙区には維新も自民も立たなかった。それで公明は議席を確保できた。だから安保法制賛成は官邸への恩返しなのだという。根っこはそこにあると指摘している。
公明党の議席と引き換えに、安保法制に賛成したというのは、余りにも国民無視の憲法無視の酷い取引である。
田中氏が、この先公明党は学会を抑え切れるのかと尋ねたのに対し、二見氏は「本部は困っているでしょうね。学会が廃案にしろと言ったら『政教一致』と言われるから」と答えている。分かり難いが、創価学会は反対だとしても、公明党が政権党に入っているので、反対すると政教一致ととられるということか。
学会として、「廃案」にするということまでは煮詰まっていないようだと言い、国民が納得していないのだから、「継続審議」にしてもいいのじゃないか、というぐらいが学会として助言できる唯一の方法かと思うと言っている。
さらに、学会の中は二つに割れているのではないかと思うと言っている。それはその通りであろう。学会員の中にも安保推進派がたくさんいるだろう。
学会員の中には何度説明を聞いても分からないという人や、普通の婦人部のおばさんがデモに参加しているのを見てショックを受けている人もいるという。
煮詰まってきて、8月末から9月初旬になるとまた状況が変わる。その段階で参議院公明党は追い詰められる。内部の不安を無視すると学会は崩壊してしまうと指摘している。
「俺たちが応援している公明党がやっていることだからと、無理やり信じ込もうとする。でも、違うようだ。ホンネは反対なんですよ」という学会員がいる。
学会員の賛成反対を自由にしたら来年の参議院議員選挙は大変なことになる。だからそこまでは踏み切れない。悩ましいことだという。
外部から見ると、そうした中で全国各地に、良心に従って安保法制に反対の行動をとる人が増えていることは捨てたものではないと思う。
« NHKスペシャル「”終戦”知られざる7日間」を見て | トップページ | 「72年政府見解」では集団的自衛権は想定外 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- マイナ保険証反対が多い!!(2024.09.16)
- 米国ではなぜトランプ人気が根強いのか (2024.09.14)
- デフレ脱却を目指すというが(2024.09.07)
- 身勝手な中国、日本水産物の禁輸を解除せよ!(2024.08.26)
コメント
« NHKスペシャル「”終戦”知られざる7日間」を見て | トップページ | 「72年政府見解」では集団的自衛権は想定外 »
創価学会員の良心に大いに期待したいです。
投稿: らら | 2015年8月21日 (金) 08時06分
2013年の参院選では公明党員議員全員が解釈変更による集団的自衛権の行使に反対していますね。山口代表も憲法解釈を見直すべきでない。北側副代表も反対と答えています。ところが上記の衆院選で大阪16区から出た北側氏は危ない所を当選させてもらった自民党に大きな恩義を感じて、表向きは解釈改憲に反対、裏では自民党との密室協議で解釈改憲を容認する原案を内閣法制局に作成させ、表と裏で2枚舌を使っていたようですね。自民党の暴走にブレーキ役どころかアクセル役を果たした公明党が支持を失うのは当然ですね。2015年7月28日醍醐聰(東京大学名誉教授のブログ)より引用。今、創価学会員の良心が問われていると思います。公明党議員は採決で棄権しても分母が少なくなるだけで意味がないので反対する責任があると思いますが、その勇気があるか疑わしいですね。
投稿: danny | 2015年8月20日 (木) 18時29分