とうとう安全保障関連法が決まる
自民党・公明党は7月15日に衆議院特別委員会で安全保障関連法案の強行採決をした。
民主党と共産党は反対を明確にしているが、維新の党は対案を出して審議を求めていた。以前から指摘しているように、維新の党は最終的には与党を助けるのではと見ていたが採決には3党とも欠席して加わらなかった。。
菅官房長官や谷垣自民党幹事長は、100時間以上の審議をしたのだから十分だ。決めるときは決めると述べていた。
委員会を通ったので、今日の衆議院本会議での可決は確実となった。これにより安保関連法は事実上の法案成立ということになる。与党は参議院で60日間審議をすれば、衆議院で数の力で再可決して、法案を成立させることができるという腹積もりである。これでは参議院は何のためにあるのかということになる。 参議院は審議をしましたという口実作りにしか過ぎないのだ。
朝日新聞や毎日新聞の世論調査では、安保法反対が多数で、内閣支持率を不支持率が上回った。政府広報機関と言われる産経新聞は安保法が必要だが49%で、不必要だの43.8%を上回っている。同じく政府広報機関と評される読売新聞反対が50%で賛成の36%を抑えている。
こうした中で安倍政権は安保関連法の成立を急いでいる。成立させれば後は何と言おうとこっちのものだと考えているのだろう。
国民はそうした安倍政権のやり方に不安を覚えている。そして全国各地で「戦争反対」の声が上がり始めた。鹿児島では6000人が集会とデモに集まった。札幌では弁護士会をの呼び掛けで16000人が集まり「戦争反対」を唱えた。名古屋でも大津でも反対集会が行われた。ネットやツイッターでも広がりを見せていると言われる。
宮崎駿監督は、「安倍首相は歴史に名を残したいのだろうが、愚劣だ」と話した。
若者を中心としたSEALDsの活動も頼もしい。次のは東京新聞の記事。
「国会前で毎週金曜夜、安全保障関連法案に反対する抗議行動を続ける大学生らのグループ『SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)』への共感が広がっている。『#本当に止める』を合言葉に、ツイッターなどで参加を呼びかけ、十日は過去最多の一万五千人以上(主催者発表)が集まった。若者の等身大の訴えに触発された人たちも、地域や年代を超えて動き始めた。 (安藤恭子)
『人の痛みに無自覚で、思考停止する人間になりたくない。だから声を上げる』。国会前の人波の中、女子大生の一人が宣言すると、歓声が上がった。『PEACE NOT WAR』など、英語のプラカードを掲げ、『憲法守れ!』と速いコールで盛り上げる。
今年五月に発足した。メンバーは関西の大学生らも含め約二百五十人。テレビや女性誌が特集を組んだ。ユーチューブの動画再生は一万八千回を超える。京都でも連携する学生のデモが起きている。
合言葉の『#』は『ハッシュタグ』と呼ばれ、ツイッターの投稿を検索しやすくするための記号。」
法案が衆議院を通過しても、「反対」の声を上げ続けることが大事だ。
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コメント
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憲法9条が戦争をしない歯止めになって来たので、日本はその精神を世界に広げることこそ本当の「積極的平和主義」です。
投稿: らら | 2015年7月17日 (金) 09時42分
長い年月の経済制裁のイラン が話し合いでこそ国民に 受け入れられる平和的解決の道にすすみそうになりました。 暴力の連鎖のおろかさにきずき 何としても 9条をこそ世界に 広めてほしいとと願う者です。
投稿: タラの木おばさん | 2015年7月16日 (木) 23時51分
自民党の二階氏は「支持率は回復する」と語ったそうです。国民をバカにした発言です。
投稿: らら | 2015年7月16日 (木) 12時38分
安倍政権の幹部たちは日本人は熱しやすく冷めやすい国民なので、何事もなく時間が経てばその内に忘れてしまうだろう。来年の参議院選挙には殆ど影響はないと踏んでいるかもしれない。しかしながら今回の安保法制の強行採決により、自民党及び安倍政権の受けたマイナスイメージ即ち支持率低下は時間の経過で解消されるほど楽観視できないと思っているはずである。安倍政権は総力を挙げて支持率回復作戦に取り組むと思われる。大衆はいかようにも操作可能であると豪語したのはナチスの宣伝相ゲッペルスである。当面、日々の生活に影響が及ばないだけに寛容な日本国民はマインドコントロールされてしまうかも知れない。
投稿: toshi | 2015年7月16日 (木) 10時30分