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2015年6月12日 (金)

貧困が子どもや青年の若い脳に影響を与える

 日本では「子どもの貧困」が問題になっている。親が貧困のため子どもも貧困から免れない。そういう子どもが増え続けているのだ。

  義務教育で小学校・中学の9年間は学校で学ばねばならない。正しくいうと、親など保護者は子どもに教育を受けさせる義務があるということである。

  しかし、裕福な家庭の子どもは、いろいろな形で学校以外の教育を受けることができ、家庭教師や進学塾などで受験指導を受けて、よい小学校、よい中学、よい高校、よい大学に進学できる。東大には貧困家庭出身者は入るのが難しくなったと新聞で読んだことがある。家庭の経済環境によって子どもの教育を受ける機会が左右されてしまう訳だ。

  スマートニュースをスマホで見ていたら、貧困は脳そのものに影響を与えると考えられるという研究が紹介されていた。

  What Poverty Does to the Young Brain-というThe New Yorkerの記事の紹介である。

  脳の根幹そのものは、胎児期に母親の子宮内で作られ、分裂細胞がニューロンやシナプスなどに変化して、大脳皮質を形成していく。出生後幼児期に高いレベルの認識能力や意思決定などが発達していく。

   ハーバード大学のNational Scientific Councilによると、「人口の過密な場所や騒音、標準以下の家、親との別離、暴力にさらされるなど、極度のストレス下に置かれることは脳の発達にとって毒である」ということである。それは常識的にも想像できることであるが、そのメカニズムを次のように説明している。

  ストレスにさらされると、副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールが分泌される。近年の研究では、コルチゾールが人間の記憶形態に深く関わるとされる脳の海馬を収縮させることが分かっているそうだ。

  胎児は母親の胎盤を通してホルモンを摂取するが、胎盤を通してコルチゾールの影響を受け、脳の神経回路を変質させらる。胎児は、生まれた後、成長していく段階で、自分が分泌したコルチゾールに脳の成長を阻害される可能性があるというのである。

  2015年3月、9つの病院や大学が協力して1000人の子どもを対象とした研究が行われた。ォその実験の結果、最も教育的な家庭で育った子どもは大きな海馬を持ち、大脳皮質も大きいことが判明した。

 同時に最も収入が低いグループの子どもは、高いグループの子どもに比べて、大脳皮質が6%ほど小さいことが分かった。しかし、中流階級の家庭の子どもと裕福な子どもの脳に違いはさほど見られなかった。

 「豊かな富は必ずしもよい脳を作るとは限らないが、貧困は脳を弱くする」というのだ。ストレス→ホルモン→海馬に影響・・・・という図式で、貧困によるストレスが脳に影響し、教育の機会を奪ってしまうという訳だ。

 経済的にさまざまな教育を受ける機会がないだけでなく、身体的にも学力を伸ばすことが困難であるということなのだ。

 子どもの貧困が叫ばれる今、政治には貧困をなくす努力が求められる。しかし、残念ながら政府はいわゆる優秀な子とそうでない子を区別し、一部の優秀な人間があればよいという政策を取っている。そのため貧困層は拡大し、次世代の貧困層を生み出していくのだ。

 安倍政権の真の狙いは、アメリカのように貧困層の若者は軍隊に行けということかもしれないと思うとぞっとする。

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コメント

 貧困層は安い労働力として使えばよいというのが自民党政権のやり方です。困ったことですが投票にもいかないようでは変えようがありません。

投稿: らら | 2015年6月12日 (金) 09時50分

資本主義社会はそのまま放置すれば、強者がますます強くなり、弱者はますます弱くなるシステムなのだ。政治の役割は所得の再配分及び社会福祉を始め諸々の政策を通じて資本主義の行きすぎに歯止めをかけ、全体として豊かな社会の実現を図ることにあるはずである。日本は世界的に見てもその理想に近づいた国として世界から評価されてきた。しかしながら、失われた20年の間に所得格差は拡大の一途をたどり、格差は縮小しているとの統計資料は未だでていない。軍隊の構成員は職業軍人を除き、貧困層出身者が大半というのは世界の常識であり、日本もいずれ貧乏な若者は軍隊に行け!となるかもしれない。

投稿: toshi | 2015年6月12日 (金) 07時51分

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