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2015年6月20日 (土)

今国会の焦点は平和安全法案が憲法違反かどうかだ

 維新の党が安全保障法案に対案を出した。言い分は、自衛隊の海外活動に厳密な歯止めをかけるということだ。しかしそれは政府与党の憲法解釈変更を容認するということである。

 安倍首相は、18日維新の党が対案を出すことに敬意を表すると述べた。憲法解釈改憲の仲間が増えたからである。これで維新の党は安倍政権に協力して安全保障法案通過に手を貸すことが明確になった。

 国会の憲法審査会で3党推薦の憲法学者がみんな昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定は憲法違反であると明言した。それによって現在国会で審議中の平和安全保障法案は憲法違反の手続きによってなされたものであり、焦点は明確に憲法違反かどうかに当たった。

 安倍首相は、民主党の岡田代表の質問にまともに答えず、ただ「絶対に憲法違反ではない」と強調したのみであった。

 高村自民党副総裁は、「我々議員は憲法を守る義務を課せられておるが、憲法学者にはそうしたものはないので言いたいことを言っている」と述べた。

 国会議員も閣僚も公務員も憲法を守る義務があるのは憲法に規定がある通りである。その議員や閣僚が憲法の条文を勝手に解釈し直して事実上の改憲を行ったのだ。憲法違反である。

 憲法学者の中にも憲法違反ではないという学者も大勢いると述べた菅官房長官は具体的な名を問われて数名しか挙げられず、「数ではない」と言い換えた。

 憲法学者などの安全法制整備反対の署名者数は120人以上になった。自民党推薦の長谷部早大教授は、「95%を超える憲法学者は違憲だとかんがえているのではないか」と語ったそうだ。

 憲法専門の木村章大首都大学准教授は、「集団的自衛権行使容認違憲説は、ほとんどの憲法学者が一致して支持する学界通説である」と言う。

●以下にその説を紹介する。

 日本国憲法では、憲法9条1項で戦争・武力行使が禁じられ、9条2項では「軍」の編成と「戦力」不保持が規定される。このため、外国政府への武力行使は原則として違憲であり、例外的に外国政府への武力行使をしようとするなら、9条の例外を認めるための根拠となる規定を示す必要がある。

 「9条の例外を認めた規定はない」と考えるなら、個別的自衛権違憲説になる。改憲論者の多くは、この見解を前提に、日本防衛のために改憲が必要だと言う。

 では、個別的自衛権合憲説は、どのようなロジックによるのか。憲法13条は「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」は「国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定める。

 つまり、政府には、国内の安全を確保する義務が課されている。また、国内の主権を維持する活動は防衛「行政」であり、内閣の持つ行政権(憲法65条、73条)の範囲と説明することもできる。とすれば、自衛のための必要最小限度の実力行使は、9条の例外として許容される。これは、従来の政府見解であり、筆者もこの解釈は、十分な説得力があると考えている。

 では、集団的自衛権の行使を基礎付ける憲法の条文は存在するか。これは、ネッシーを探すのと同じくらいに無理がある。国際法尊重や国際協調を宣言する文言はあるものの、これは、あくまで外国政府の尊重を宣言するものに過ぎない。「外国を防衛する義務」を政府に課す規定は、どこにも存在しない。

 また、外国の防衛を援助するための武力行使は、「防衛行政」や「外交協力」の範囲には含まれず、「軍事」活動になるだろう。ところが、政府の権限を列挙した憲法73条には、「行政」と「外交」の権限があるだけで「軍事」の規定がない。政府が集団的自衛権を行使するのは、憲法で附与されていない軍事権の行使となり、越権行為になるだろう。

 つまり、日本国憲法の下では、自衛隊が外国の政府との関係でなしうる活動は、防衛行政としての個別的自衛権の行使と、外交協力として専門技術者として派遣されるPKO活動などに限定せざるを得ない。

 以上のように、個別的自衛権すら違憲と理解する憲法学者はもちろん、個別的自衛権は合憲と理解する憲法学者であっても、集団的自衛権の行使は違憲と解釈している。憲法学者の圧倒的多数は、解釈ロジックを明示してきたかどうかはともかく、集団的自衛権が違憲であると解釈していた。さらに、従来の政府も集団的自衛権は違憲だと説明してきたし、多くの国民もそう考えていた。だからこそ、集団的自衛権の行使を容認すべきだとする政治家や有識者は、改憲を訴えてきたのだ。

 ※さらに詳しくはhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150616-00000008-wordleaf-pol

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コメント

憲法を改正せずに、解釈で勝手に変えて行くのは法治国家にあるまじきことです。まるでヒトラーの手法と言ってもいいくらいです。

投稿: らら | 2015年6月20日 (土) 17時56分

まことにおっしゃる通りで、集団的自衛権の行使を可能にするロジックが成り立たないことは、防衛省の幹部でさえ認めているようです。
したがってテレビニュースから流れてくる安倍首相の答弁は、昔のこわれたレコードのように「責任ある」の繰り返し。
よほど陰で首相をあやつっている力のしめつけがきつくなっているのでしょう。
日本がどこの国と戦争しても何の益もないことくらい一部のバカモノ以外はみんなわかっているのです。
中国と戦争して何の得になるのでしょう。北朝鮮を相手にしたら、たちまち日本の原発めがけてミサイルが飛んできます。アメリカの軍事産業が支援しているようですから命中することでしょう。

投稿: たりらりら | 2015年6月20日 (土) 10時29分

大多数の自公の議員も本音では集団的自衛権の行使は憲法違反だと思っているのではないだろうか。本来ならば正々堂々と憲法改正を行って集団的自衛権行使を可能にするのがスジだということも当然分かっている。ただ現行憲法下で改正の手続きを踏むのはとてもハードルが高いし困難が伴う。従って解釈合憲で突破しようと昨年の7月に閣議決定し、かつ総選挙で勝利を得たのである。「違憲かどうかを言い争っている場合ではない。その間に国の安全が脅かされたら元も子もない。俺たちに任せれば悪いようにはしない。信じてくれ。」と安倍総理はいいたそうである。

投稿: toshi | 2015年6月20日 (土) 08時14分

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