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2015年4月28日 (火)

もう一つのショッキングな本「炭水化物が人類を滅ぼす」-①-

 「いつもの『パン』があなたを殺す」という本を書店で手に取ったとき、もう1冊「炭水化物が人類を滅ぼす」というもっと大げさなタイトルの本が並んでいた。どこかで見たことがあると思い家に帰って書棚を見たらあった。以前娘に借りて返してなかったのだ。

  この本は2013年10月の発行だから、「パン」の本より1年数か月早い出版である。著者は夏井睦という医者で光文社新書である。

  この本も題名から分かるように炭水化物・糖質を摂るのはよくないということが趣旨で「パン」の本とほぼ同じようなことを言っている。

  興味深いのは、日本とアメリカの医者が同じテーマで本を書いて、「炭水化物・糖質をできるだけ減らして脂質を増やしなさい」と言っていることである。

  夏井氏は「糖質」とは、「血糖値を上げる栄養素(食品)」だという。摂取した後すみやかに血糖に変わるのが糖質である。問題の本質は、血糖を上げるか上げないかだけなのだと言っている。(P,16)

  血糖を上げない食事ならいくら食べてもよいが、食後に血糖を急上昇させる食品は、少量でも問題がある。高血糖は、糖尿病だけでなく、さまざまな健康被害のもととなる。

 また、血糖値と関係がないたんぱく質や脂肪は制限する必要がないと言い、血糖を上げない食品を食べれば体重は減り、高脂血症や糖尿病も治る。この見解はパールマター氏と同じである。夏井氏は付け加えて、炭水化物と言っても食物繊維は血糖を上げないという。

  では相違点は何かということをまず取り上げたい。

  夏井氏は、「米、小麦(パン、うどん、パスタなど)、蕎麦」は、原則的に食べてはいけないという。パールマター氏は、米と蕎麦は多く食べなければよいとしている。

  「砂糖が含まれているもの」は不可というのは2人とも同じ。

  「肉・魚類・卵」はいくら食べてもよい。二人とも同じ。

  「大豆(豆腐、納豆、枝豆、豆乳など」は、夏井氏はいくら食べてもよいというが、パールマター氏は、発酵したもの(納豆)はよいが後はダメだという。

  「葉物野菜」は二人ともいくら食べてもよいという。

  「根菜類(イモ類、ニンジン、レンコンなど)」は糖質が多いので食べない方がよい。二人とも似たような見解である。

  「キノコ類」は、二人ともいくら食べてもよい。

  「果物」は、アボガドはよいというのは二人とも同じ。夏井氏は果糖の多い果物は避ける。パールマター氏は、パイナップルのような水分が多くて甘いものは気を付けるという。

  「乳製品」は、夏井氏はチーズはいくら食べてもよいというが、パールマター氏はチーズによるという。また夏井氏はヨーグルト・牛乳はよほど大量でなければよいというが、パールマター氏はダメといい、牛乳はコーヒーに加える程度という。

  「ナッツ類」は、夏井氏はコーン以外はよいというが、パールマター氏は、ナッツはよいがピーナツや大豆などはダメだという。

  「お菓子類」は、これは二人とも食べてはいけないという。

 「油類」は、夏井氏はマヨネーズも含めていくら食べてもよいというが、パールマター氏はエクストラバージンのオリーブ油、エクストラバージンのココナツオイル、ゴマ油、バターはよいが他はダメだという。

  「揚げ物」は、フライ、唐揚げの程度なら大量に食べなければ大丈夫というが、パールパター氏は衣にグルテンが含まれるからよくないという。

  「ジュース、炭酸飲料、コーヒースポーツドリンク」は、夏井氏は無糖以外はダメだという。パールマター氏も同じ。

  「酒類」は、夏井氏は醸造酒(ビール、酒、マッコリなど)はダメ、蒸留酒(焼酎、ウオッカ、ウイスキー、テキーラなど)は飲んでよいというが、パールマター氏はビールはダメだという。

  パールマター氏は少量の赤ワインを勧めるが、夏井氏は赤ワイン、無糖のビール、酎ハイはよいという。

  このように両氏の間によいものといけないものに差が見られる。見解の違いがあるものについては両氏の考えを聞いてみたい気がする。

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