「いつもの『パン』があなたを殺す」というショッキングな本から―⑥
脂肪が多い食事が心臓疾患によくないと言われ出したのは、1956年頃からで、米国心臓協会は「賢明な食事」の推奨をした。バター、ラード、卵、ビーフを、マーガリン、コーン油、チキン、冷たいシリアルの置き換えるように求めた。
1970年までにこの脂質仮説は広く認知されていった。核心は、コレステロールは冠動脈疾患を引き起こすという断固とした主張であった。(P.130)
1977年に米国上院の栄養および人間のニーズに関する特別委員会が「米国の食事目標」を発表した。脂肪の摂取をへらし、高コレステロールの食べ物を避け、「動脈を詰まらせる」飽和脂肪は、特に悪とみなされた。(P.131)
米国でよいとされたことはすぐに日本へも伝えられたから、マスコミ等で広められ、私も油や卵やイカやカニなどの高コレステロールの食物には今でも気を使っているぐらいだ。
製薬会社は脂質低下の医薬品に力をいれるようになったという。そういえばテレビで脂肪を燃やすお茶などが盛んに宣伝されている。
米国保健当局は、脂肪を、炭水化物や加工された多価不飽和脂肪の植物油に替えることを奨めるようになった。そして人々はどんな脂肪ならよいのかと右往左往しているという。
ドナルド・W/ミラー博士は、2010年に出版した「低炭水化物、高飽和脂肪の食事による健康上の利点」で、「60年に及んだ、『低脂肪・高炭水化物」の食事の時代は終わるだろう。炭水化物を多く摂りすぎることでの健康への破壊的な影響がもっと広く認知され、飽和脂肪の健康への利点がもっとよく認められるだろう」と述べているそうだ。(P.132)ちなみに博士は心臓外科医である。
実際、最近の30年間に、「低脂肪、低コレステロールの食事」によって血清コレステロールを下げれば、心臓発作や死亡率を下げることを明確に示す研究は発表されていないというのだ。
今ホタルイカが旬である。私はホタルイカを買って来てコレステロールを気にせずに食べた。バターよりマーガリンと言われていたが、マーガリンにはトランス脂肪酸が含まれているからよくないとされ、バターが見直されて品薄となっている。
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