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2015年3月30日 (月)

「いつもの『パン』があなたを殺す」というショッキングな本から―④

  この本では、コレステロールが大事だと言っている。これまで私たちは、コレステロール値を上げる食べ物により、心臓疾患や脳卒中のリスクが増すと言われてきた。しかしコレステロール値を下げれば健康的に長生きすることができるというのはいい加減な通説だという。

  高齢者の記憶機能とコレステロール値の対照研究について米国国立衛生研究所の報告を示している。「高コレステロールは優れた記憶機能を伴う」と述べ、認知症でない人はコレステロール値が叩く手も記憶機能が非常にすぐれていたというのだ。(P.120)

  また、「85歳を過ぎた人は、特にコレステロール値が高ければ、ますます元気だろう」という研究者もいるそうだ。

  パーキンソン病もコレステロール値の低いことと強く結びついているという。(P.120)

  脳内でのLDLの役割は、生命をはぐくむコレステロールをとらえ、そのコレステロールが非常に重要な役割を果たすニューロンへと送ることだ。だからコレステロール値が低いと脳の働きが悪くなるという。(P.121)

 LDLが炭水化物によって酸化されると問題が起きるという。加えてLDLが糖によりグリコシル化された分子になると、脳細胞にコレステロールが与えられなくなり、脳の機能が低下するそうだ。(P.122)

  最近のオランダの研究報告によると、総コレステロールがとりわけ高い人たちが、ガンや感染症(高齢者によく見られる致命的病気)で死亡することは、コレステロール値が低い人たちと比べると、著しく少ないのだ。(P.124)

  コレステロールは、HDL(高比重リポタンパク)とLDL(低比重リポタンパク)があり、前者は「よい」とされて後者は「悪い」とされている。この二つは体内では異なる役割を果たしている。その他のリポタンパクにはVLDLとIDLがある。

  コレステロールはどの種類であっても、これまで思いこんできたほと厄介なものではないという。病気になった脳には脂肪もコレステロールもひどく不足していることや、高齢になってからの総コレステロール値の高さが、長寿に関連していることが分かってきた。

  総コレステロールの25%が脳にあり、脳の機能と発達を支えている。脳の重さの1/5はコレステロールなのだ!という。(P.144)

 「コレステロールは、細胞を覆う膜を形成し、細胞膜の透過性を維持しながら細胞の「防水加工」状態を保つ。だから細胞の内と外とで異なる化学反応が起こるのだ。

  脳内での新たなシナプスの成長はコレステロールのに依存していることを明らかにした」(P.144)

  「さらに、脳内のコレステロールは強力な抗酸化物質としても働く。フリーラジカルによるダメージから脳を守るのだ。」だから高齢になってコレステロールが増えるのはよいことなのだ。

 コレステロール値に関するこれまで言われてきたことをくつがえすものになっている。総コレステロールが高くても少しも心配することはないのだ。むしろ高齢者にとってはよいことだというのは有難い。

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コメント

一般に1.高血圧2.高血糖3.高脂血症4.肥満を死の四重奏といって、この4つの因子が重なると心筋梗塞、狭心症などの心臓病で亡くなる危険が高まると恐れられている。しかしながら最近、高血圧の上限が変わり、また程度問題にもよるが肥満の人の方が長生きするという説もある。血糖値の正常範囲も固定的ではない。今またコレステロールも通説は間違いとしている。さらに本人の持つ遺伝子の分析によって将来どんな病気に罹るかは決まっているという説もある。そうなると我々は何を信じていいか戸惑うばかりである。あまり気にしないことが
大切のように思えてくるが、、。

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