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2015年3月10日 (火)

外国人技能実習生の逃亡数に驚く

 先日、ベトナム人たちがヤギを盗んで食べ、捕まって裁判になった事件について取り上げたとき、背景には過酷な労働を強いる雇用主がいることが問題だと指摘した。そのとき手元に資料がなかったので、どのくらいの人数の技能実習生が逃亡したかは分からなかった。

 3月7日のネットで、産経新聞が報じた記事を見つけた。記事の見出しは、「過酷労働の悲劇! 外国人の技能実習生2万5千人が失踪 入管「深刻な問題」 過去10年間、平成26年は最多4800人」となっている。

 産経が法務省へ取材したところ、昨年度平成26年の技能実習生の失踪は、480人と過去最高となったというのだ。過去10年間では2万5000人に上るという。

  ベトナム人のヤギ捕食でも失踪した理由は、早朝から深夜までの過酷な労働と低賃金、寝るところの劣悪さであった。産経新聞も、「多くの実習生が最低賃金水準で稼働しているが、残業代の未払いなど労働関連法違反は後を絶たない。労働条件の厳しさが失踪増加の背景にあるとみられる。」と指摘している。

  その通りであって、それ以外の理由は考えられない。以前から技能実習生が搾取されていることは何度もマスコミで報じられてきたが、対策がとられなかったのだ。「平成25年度には前年比84・2%増の2822人が行方不明となっている。国籍別では中国が60・6%を占め、ベトナムの26・6%が続く。」と書いているように25年、26年度と急激に増加しているのである。

  昨年6月現在で16万2000人の技能実習生がいるが、今も多くの実習生は、農村や中小企業などで安い労働力としてこき使われているのだ。

  発展途上国の人材が最長3年の期限で、働きながら日本の技術を学ぶ仕組みで、政府は途上国の経済発展に資する国際貢献と位置付けているが、真っ赤なウソである。

 記事によると、「実習生は勝手に転職できず、国内にとどまっている失踪者の大半は不法就労・不法在留状態にある可能性が高い。法務省入国管理局の担当者は「深刻な問題と理解している」と話し、実態把握を急ぐ方針だ。」という。

 ベトナム人の事件に見るように不法就労・不法在留そのものである。この問題は、入国管理局だけでなく、実習生を雇う側を厳しく監督・指導する部局を設置するべきで、厚生労働省も責任を持つべきである。

 技能実習生が楽しく働いて本当に技能を身に着けて、日本に感謝して帰国できるようにすることが喫緊の課題である。

 中国人観光客が日本に来て「日本はよいところがたくさんある。見直した」と言っているが、こういう暗い恥ずべき実態は知られていないのだろう。「日本の恥」と知るべきである。

 政府広報機関と揶揄される産経新聞だが、今回は拍手を送りたい。

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コメント

過酷でもなんでもないでしょ。単により稼げるところに移動したいだけ。過酷な労働と言うのは自己弁護の言い訳です。

 技能実習生の過酷な実態を中国、ベトナム、フィリピンなど当事国はどう見ているのでしょうか。抗議すべきだと思うのですが。

技能実習生とは耳触りのいい言葉であるが、実態がここまでひどいとは初めて知った。世の移り変わりは速く、労働需給は今、大変な人手不足状態になっている。俗にいう3K職場や流通現場では特に深刻
だといわれている。そうなると外国人技能実習生への期待はますます高まることになる。一般に労働環境が売り手市場になれば賃金が上がり、それ以外の
待遇も改善されるのが普通であるが、中小零細企業
の労働者にまではなかなか浸透しない。それどころか、さらに安い労働力を確保、維持するために技能実習生を求めるのである。資本主義経済はうわべの華やかさの裏にこうした過酷な実態が存在するのである。

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