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2015年3月21日 (土)

格差の広がり

 朝日新聞3月19日朝刊6面に、「教えて」という欄で「格差問題」を扱い始めた。格差についてどう考えたらいいかを、シリーズで取り上げるというのだ。

  同じ日の2面には、「ベア最高水準相次ぐ」という大見出しで、18日の春闘集中回答日に、好業績の自動車や電機大手では、過去最高水準のベースアップ回答が相次いだと報じている。

  一方で地方の中小企業、パートや派遣ら非正社員には、賃上げを望めていない人も多いと、その実態を報じている。

  雇用者に占める労組員の割合は、昨年6月時点で、過去最低の17.5%。多くの人が春闘の枠組みから取り残されているという。大手のベアが上がれば上がるほど、非正社員らとの「格差」が広がる懸念もあると。「正社員と同じ仕事なのに、給料の差はちじまらない」と嘆いている。

  同じ日の12面にある小さなコラム「経済気象台」は、「ピケティ氏を含む何人かの研究者がすでに指摘しているように、トップ10%が全体の所得に占める割合は、日本でも米国並みに上昇している。

  その原因は何か。各種研究によると、日本では下位の所得層の所得が減っている可能性が高いという。だとしたら、問題は格差より『貧困』である」と指摘している。

  安倍首相は2月の民主党の代表質問に答えて「格差に関する指標は様々あり、格差が拡大しているかどうかは、一概に申し上げられない」と答えた。例によってはぐらかしである。

  「教えて」では、ピケティ氏の「資本の格差が、労働所得の格差より常に大きい」の他に、

  ●地域格差   ●雇用格差  ●教育格差  ●資産格差  ●男女格差  

 ●賃金格差    ●世代間格差・・・・などがあると述べている。

  私のような年金生活者は年々年金が減らされ、介護保険料などが増え、「収入格差」が増大していると感じる。その上日銀と安倍政権による物価上昇政策で生活は苦しくなる一方で、「生活格差」が大きくなっている。

  「経済気象台」が指摘したように、「貧困」層が増え、また貧困化が進んでいることが問題である。大金持ちの安倍首相や麻生財務相などには想像もできないであろうが。

 

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コメント

 円安の恩恵を最も享受しているのは自動車産業ですね。円安で住友商事は赤字になったと言われています。悲喜こもごもです。

自動車業界は業績好調でベースアップの先陣を切っている。私はこの業界に関係していたのでよく分かるが、自動車業界といっても潤うのは円安によって
為替差益が好業績に大幅に寄与したメーカーのことなのだ。国内では消費税アップ影響で自動車の売れ行きはよくない。自動車販売業界のベアはメーカーの右に倣えではない。円安の恩恵を受ける企業、逆に円安の逆風を受ける企業と企業間の業績格差も広がっているのが実態なのだ。トリクルダウンによって全体の底上げが実現する状況では決してないと思える。しかしこのところ株価は上昇の一途である。実体経済の上昇期待相場なのだろうか。

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