転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵)⑯
(37)タラの木が、ガンに良いと聞いて
お爺さんが、どこからかタラの木を煎じて飲むと「ガン」に、効くそうだ!と聞いてきました。良いという事は何でもしたい私でした。
陰干しにした「タラらの木」を削り、土びんや土なべで煎じて、お茶のように飲ませました。胃がいつ詰まってしまうのかしらと目の離せない日も続きました。一日一日が宝のような時間に思え、姑の笑顔を求めての毎日でした。
そして一月四日から十ヶ月が過ぎました。もう支えないと歩くのも一人では心配になり、風呂も一緒入りました。気分の良い時は、私の民踊教室にも我が子のように腕を組み連れて歩きました。
「死ぬまで働き、働き者だったいたと言われたい!」という姑の願で、姑と腕を組み支えて庭掃きもさせていました。
(38)支えて歩く姑に、驚きの電話が!
秋の取り入れになり、無休無給で使っていた姑がいなくなり、不自由な生活になった田舎の男達から、
「お婆を返してくれ!留守番だけでええで!」
と言って来たのです。怒った私は、
「年中開けっ放しの留守の家にどうして留守番がいる!冗談じゃないっ!」
と怒鳴り返しました。しかし、厳しい生活をして来た姑は、
「家に帰った時悲しい目に会うのはわしだで・・やっぱり這ってでも、お勝手や洗濯ぐらいはしないと・・・」
と言ったのです。がっくりした私は、姑を田舎へ帰す事になったのです。
「困っても二度と世話はしない!」
と夫の兄に怒りましたが、病める姑が心配で、何とか楽に最後を送らせてあげたいと思い悩みました。
(39)手術をした人は、楽な最後と聞き
痛み止めも効かなくなり、隆起する「ガン」に姑は泣いていました。苦しむ姑に心が痛み、尊敬していた院長先生へ相談に行きました。もう何も食べられず、少しの牛乳と酒杯一杯のお酒と、タラの木の煎じたお茶だけでした「何とか楽な最後はないでしょうか?」
と聞く私に、先生は、
「手術をされた方は最後が楽のようですね」
と言われたのです。何が何でも楽な最後が迎えさせたい私は、無理を言い院長先生を田舎まで行って貰いたいと拝みました。
姑を思う私の心に、先生はうなずき、遠い診察に出て下さったのです。
「末期といってもこれはひどい!胃から内臓のほとんどがくっついているな・・胃は取れないと思うから、胃はそのままにしておいて腸を引き上げ、胃の入り口とつなぐかな・・」
と言われました。何でもいいからほんの少しの望みでも持たせて上げたらと思い、忙しい秋の取り入れも済んだ事だからと、また私の家に姑を連れて帰りました。
« 転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵)⑮ | トップページ | 転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵)⑰ »
「健康」カテゴリの記事
- 10月からはジェネリック医薬品が割安(2024.09.22)
- 紙の保険証廃止後は?(2024.08.23)
- 良い睡眠のために(2024.08.10)
- i一番長生きする睡眠時間(2024.08.08)
- 健康10か条のこと(2024.07.30)
« 転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵)⑮ | トップページ | 転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵)⑰ »
コメント