転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵著⑭
(32) 先達だった夫の父
夫の父親が御嶽山で霊人になっていると聞いていましたので、御嶽山にも頼んでありました。
「助ける!」
という返事を貰っていました。しかし、不安は大きく、信じられない私でした。 げっそりやせた私に、友は、
「食べなきゃー駄目! 」
と言い、病院から連れ出してくれました。
「そうだ!食べなきゃー」
といつもの勇気が少しでました。目についた店は「トンチャン屋さん」でした。「これが腸か?」と思って食べました。あわただしい毎日に、ろくに食べていませんでしたので、とても美味しく久しぶりの嬉しい友にホッとしました。
(33) 末期ガンの姑を助けた事が自信に
手術室に夫が入り、手術室の前の椅子に二人の息子と三人で座りました。不安で落ち着かなく色んな事を考えて、息子達に思いつく事をオオムのように同じ事を何度も話していました。
長い手術の待ち時間、頭の中はあの末期も末期、死寸前の姑が生き返って十三年も生きた事実だけが自信となって、医師の言葉を必死でうち消していました。
あれは姑ヒナさんが六十七歳の時でした。十二月三十日、一年で一番忙しい日の事でした。突然電話で姑の末期ガンが知らされました。夜はもう痛みで眠られない日がずーっと続いていたというのです。
「もう長くないでひまを見つけて会いに来てくれ!」
それが姑からの電話でした。何て事だ!田舎の女性の人生は本当にむごい!そこまでひどくならないと、医者にも行かせて貰えないのかと涙がこぼれました。
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