転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵著⑫
(28) 年老いた母を気遣う
私の母は七十九歳で一人で住んでいました。心配を掛けまいと気ずかれないように心を配っていました。いつも電話をしたり訪ねて行ったりして、買い物をしたり出来るだけ訪ねていたのに、ぱったり行けない日が続いていました。驚いた事に母の姉、岩田の伯母さんが、夫の病室の隣に入院していたのです。きっと廊下で会ってしまう!と思い、手術前の忙しい時にちょっと会いに行きました。そして手短に夫の事を話し、絶対母に言わないようにと、くれぐれも頼みました。おばさんは「分かった!」と、約束をしてくれました。
(29) 恐ろしい会話
伯母さんと別れ、戻った部屋は大勢の白衣の人々でごったがえしていました。
「バンドは、いつも何処にしていますか?人工肛門の位置が決めたいので すが・・・」
「はい・・・」
と、夫は、医師に素直に従っていました。
「この当たりは、どうでしょう?」
「はい・・・」
穴を開ける丸い印に私は胸が詰まり、震えをこらえていました。恐ろしい会話が続き、うろうろする私に、先生は、
「外に出て行って下さい!」
と言いました。致し方なく外にでました。入院用品の足りない物を今の内に買って来ておこう・・と思い、病院を出ようとした時、私はそうだ!伯母さんも何か欲しい物があるかも知れない!聞いてあげよう・・と思い勢いよく隣の部屋のドアを開けびっくり仰天しました。
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