転載「タラの木のふしぎ 末期がんからの生還」(河村光恵著⑬
(30) 命がけの日に母が
私の母がこちらを向いて座っていたのです。
「アレーッ」
と、びっくりする母。岩田の伯母さんも驚き、もう駄目だ!と思い伯母さんは
「中をよう見て入ってこないかんわーハハハ・・・」
と言いました。変な空気の中、驚いたことにもう一人の加藤の伯母さん九十歳が後ろ向きに座っていたのです。加藤の伯母さんは、岩田の伯母さんに
「何て事いやーす!おみゃーさんは!ハハハ・・・」
と、重い空気の中で笑いました。私はもう駄目だ!と思ったがとっさに気を取り直し、岩田の伯母さんに、
「あーら!伯母さんお元気そうで・・」
と、初めて会ったように芝居をしました。びっくりした岩田の伯母さんは、
「へエーお陰さまで・・」
と言い直しました。が、母の六感が私にピリピリとささりました。母と話しをする時間はなく、言い訳をするひまは有りませんでした。
笑って飛び出すしかなかったのです。
岩田の伯母さんはきっと鋭い質問に会っているのでは?と思いましたが年は八十六歳でも賢い伯母さんです。何とか切り抜けて欲しい!と手を合わせて祈りました。一人住まいの母がどんなに悲しむかと思い、知られぬようにと祈りました。
(31) 苦しい時の神だのみ
家政婦さんが見え、私の親友が駆けつけてくれました。
手術と決った時、友の近くにある神様に「無事の手術の成功と命ごい」をお願いしたのです。その返事を持って来てくれた友達は笑って言いました。
「二人の息子を嫁に渡したら絶対別れる!と言い切っているあんたが、何で命ごいの電話なんかしてくるのよ!ハハハ・・・」
と、意地悪を少しのぞかせ笑ったのです。私もおかしくなり、泣き笑いをしました。心配の固まりの私に友達は笑顔で言いました。
「神様が言われるのにはね、貴女にすごい徳があって、貴女が生きて欲しいと願えば、ご主人は死ぬ事はない!と言われたの。助かるように祈りなさい!」
と伝えてくれました。不信心な私は半信半疑で聞いていましたが、駄目!と言われるよりは嬉しく思いました。
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