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2014年12月16日 (火)

安倍首相のしてやったりの笑顔

 14日に行われた衆議院議員選挙は、マスコミの事前の予想通り、自民党の圧勝に終わり、公明党も4議席増やして、与党の政権運営を盤石なものにした。

  もとはと言えば、今回の総選挙は、衆議院で2/3以上の議席を持っているにも拘らず解散をしたもので、全く大義のない解散であった。選挙には700億円もの税金が使われたが、それだけの金を他に使えば、いろいろと有効に活用できたはずなのだ。

 それをわざわざ解散に打って出たのは、安倍首相が自らの政権担当長期安定を目指した、ただその一点である。事前に調査をして野党がバラバラの今なら大勝できると踏んでの解散であった。それを隠すためにか「過半数を取ればよい」などとうそぶいていた。

 そんな解散だから、有権者は戸惑い、政治不信になってしまったのだ。イギリスのシェフィールド大ヒューゴ・ドプソン教授は「特筆すべきは、自民党人気ではない。戦後最低レベルの投票率に表れた、政治に選択肢を失った国民の失望だ」と述べた。(朝日)

 決して自民党が人気があるのではなく、後に述べるように小選挙区制のマジックの結果なのだ。

  アベノミクス解散と銘打ち、「この道しかない」と叫んでいたが、投票率は朝日新聞の推定で52%台と言われる。投票率が低かったことも自民党を利した面があったに違いない。

  サンデーモーニングによると、オーストラリアは90%以上の投票率世界1だが、投票に行かないと罰金があるとか。それを除くとスエーデンが80%で北欧諸国は押しなべて高率である。アメリカでさえ65%であるが、日本は投票率が減る一方で、ついに52%になったしまったようだ。

 政治不信の増大と受け皿の選択肢がないことが大きい。さらに 20代若者の投票率は前回で37%で、60代の70%以上とは大差である。若い人たちの無関心が低い投票率となっているように思われる。

  今回の選挙では自民党は得票率48%で小選挙区議席の75%余りを占めてしまった。有権者全体に対しては30%にも満たなかったのにだ。(中日新聞)

  つまり、小選挙区のトリックによって、大幅な議席の獲得をしたのである。小選挙区制になるとき、小選挙区制の危険性が指摘されたが、議会を通ってしまった。河野元衆議院議長は小選挙区制にしたのは間違いであったと述べていたが、良心的な意見だと思う。

  自民党・公明党は、これまで2年間の安倍政権がやってきたことがすべて信任されたと言うであろう。しかし、特別秘密保護法や、集団的自衛権行使容認や原発問題はほとんど隠されたままであった。

  この前の小泉政権の郵政選挙と同じで、勝てば白紙委任されたとして、やりたい放題になることは目に見えている。

  安倍首相は念願の憲法改正にも着手すると話している。来年の通常国会には集団的自衛権行使関連法案が出される。そして数の力で押し通すであろう。

  原発も川内原発再稼働を皮切りに次々と再稼働に向かうであろう。

 アベノミクスは安倍首相が言うようなバラ色のものではなく、日本経済を破綻させる危険性も外国の学者から指摘されている。ドイツのGIGA研究所のパトリック・ケルナー教授は、「失敗すれば、日本経済が崩壊する危険性が強まる」そ警告していると朝日新聞に出ていた。

 

 

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コメント

マスコミも、争点隠しと報じていたように、自民党は「この道しかない」一点張りでした。集団的自衛権を争点にしたくなかったことは明白です。
 民主党が2009年に大勝したのも、勿論小選挙区のトリックです。小選挙区制ではなく、比例代表制にすべきだと思います。

>特別秘密保護法や、集団的自衛権行使容認や原発問題はほとんど隠されたままであった。

自民党は公約でそれら全てを推進すると、何ら隠すと来なく公表して選挙を行いました
集団的自衛権なら、安倍首相がテレビで熱っぽく解説さえしていました

民主党はそんな自民党を盛んに批判し、集団的自衛権反対と脱原発を公約としていました
それでも、それらが主な焦点にならなかったとすれば、それを焦点にできなかった野党やマスコミの責任でしょう

>つまり、小選挙区のトリックによって、大幅な議席の獲得をしたのである。

民主党が308議席も獲得して政権交代したことも、小選挙区のトリックでしょうか
選挙制度は世界各国でそれぞれ違うように、最善のものはありません
中選挙区なら中選挙区で、55年体制のように、まただらだらと自民党が最大勢力となる可能性が高いです

沖縄では全小選挙区で自民党候補が敗れた。やはり争点がはっきりすれば、民意は示される典型的な例である。愛知県も全国的に低調であった野党が善戦したと思われる。しかしながら、全体では小選挙区で自民党は半数に満たない得票率で75%の議席を占めてしまった。とても民意が反映される選挙制度ではないことは明らかである。しかしなんだかんだと言っても多数を取った方が勝である。大方の信任を得たとして一気呵成に懸案の政策を推進し、憲法改定にまで踏み込んでいくであろう。これは選挙前から予想されたことであり、結果的には国民が許容したといえる。この選択がよかったかどうかは後世の歴史家が決めるであろうが??

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