名古屋大学レクチャー2014 公開講演会を聴くー③―
永井博士の研究に関するレクチャーは難しいので割愛して、博士が携わっておられる「感染症研究の国際連携」について紹介する。
博士は、「国境なき感染症への挑戦と大きな国際貢献」をしておられ感染症研究国際ネットワーク構築のリーダーでありパイオニアだそうだ。
レクチャーに参加したとき、受付で「J-GRID」という文字の入った青いバッグをもらった。そのとき、この文字は何だろうと思った。レクチャーを聴いて、J-GRIDというのは、文部科学省が2005年に立ち上げた、新しい形の国際共同研究プラットフォーム「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム」(Japan Initiative for Global Research Netwaork on Infectious Diseaes)の略字だと知った。
J-GRIDでは、新興・再興感染症の発生しがちな、東南アジアをはじめとする諸外国に、我が国の大学等の研究者が常駐するのだそうだ。そして、その国の研究者とともに、日々、感染症対策についての共同研究を行う拠点を各国に設置するとともに、その拠点を国と国との間でつないで感染症情報をネットワーク化したものだという。
新興・再興感染症というのは、
・「新興」とは、今まで見られなかった感染症、「再興」とは、いったん廃れたものが
再び出現してきた感染症
・旅行者や輸出入の増加、森林伐採による環境破壊など、さまざまな要因によっ
て起こる。
・エイズ、ラッサ熱、エボラ出血熱、新型インフルエンザ、結核、腸管出血性大腸菌
感染症など。
永井博士は、この事業のディレクターに指名され、アジア6、アフリカ2の計8か国に13の拠点を有するJーGRIDネットワーク構築に指導的役割を果たしてこられた。
さらに、永井博士は、相手国、日本、世界の感染症対策に資する、質の高い研究の遂行と、技術の革新をモットーに、JーGRIDで得られた新しい学術の展開を多国間拠点で共有吸うrと共に研究者を指導した。
未知の病原体が突如、猛威を奮う(アウトブレーク)際に、患者から得られるサンプル(血液・糞便・唾液など)の網羅的な遺伝子解析の結果と、病原体データベースをオンライン・コンピュータで結合・共有し、候補病原体を迅速に絞り込むためのシステムの構築などの技術革新も進んでいるそうだ。
J-GRIDは、当該国での感染症の制圧・制御と感染症の国内への侵入のリスクを低減させることに寄与している。
当該国と日本の国益を超えた、世界全体に対する日本の科学的貢献となっている。「科学技術立国」、「科学技術外交」を目指す日本のロールモデルの一つの成功例であり、国内外から高く評価されているという。 (レンジメP.4をもとに作成)
「科学技術外交」と言えば、安倍首相の原発輸出や武器輸出もその一つだと思うが、それとは違い、人類の安全とウイルス感染症の撲滅に貢献する誇るべき事業だと思う。私がblogで紹介した理由もそこにある。
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