名古屋大学レクチャー2014公開講演会を聴く―①―
11月に名古屋大学レクチャー2014公開講座の案内が来た。参加希望者が多数の場合は抽選としてあった。この講演会は名古屋大学のレクチャラ―の資格を持つ一流の学者が公演をするもので、その学者の到達点の話を聴くことができるし、アカデミックな雰囲気を味わえる。それで申し込みをしておいたら当選の通知がきた。
今回のテーマは、「人類生存のための科学と精神」で、副題が「感染症への挑戦と基本的人権」であった。、講演者は理化学研究所新興・再興感染症研究ネットワーク推進センター長の永井美幸氏と名古屋大学名誉教授・日本学士院会員の水田洋氏であった。
講演の後にピアノ演奏会があり、東京芸術大学教授の渡辺健二氏が演奏をされた。
レクチャーは、12月6日(土)の13時から18時まで名古屋大学の豊田講堂で開催された。大変有意義な会であった。
永井博士のレクチャーは、グッドタイミングのものであった。というのはエボラ出血熱がアフリカで発生し、世界中の注目を集めているからである。永井博士は、ウイルス研究の第一人者で前半は専門のウイルスについての話であったが、私にとっては難解で途中眠くなったこともあり、理解できなかった。後半の感染症研究の国際連携の方は理解することができた。
第2部の水田洋博士のレクチャーは、社会科学分野のものであり、文系の私にも理解ができた。一番驚いたのは、水田博士が98歳でなお矍鑠(かくしゃく)としておられることであった。紹介の中で、タクシーを用意したが地下鉄で行くと言われたと言っていた。毎日10時間机に向かわれると紹介していたように思うのだが、レクチャーも原稿はほとんど見ないで話された。さすがに何十年も研究してこられたことなので頭の中に整理して入っているのだと思った。
奥さんも著名な学者の水田珠枝氏だが、会場にきておられたようだ。夫婦で著名な学者というのは凄いことだと感心した。
ピアノコンサートは、有名な曲ばかりでリラックスして楽しく聴くことができた。トークショーや曲の解説があったのがよかった。
印象に残った話は、今は著作権があって他人の曲から借用することはできないが、昔は作曲者に対する敬意を示すものとして使われたのだということである。
また、自分でいろいろな曲を聴いてその中でよいと感じたものが自分の名曲であるということを話されたと思う。評論家がいう名曲もあるだろうが、自分が選択するというのは大事だと思った。
プログラムは、
シューベルトの即興曲90番より、第3番、第4番
ショパンの夜想曲第2番、別れのワルツ、革命のエチュード
ベートーベンのピアノソナタ第8番 「悲愴」
リストのグノーの「ファウスト」によるワルツ
アンコールがドビッシーの「月の光に」であった。時間の延長もあって終わったのは18時20分ごろであったが、充実した半日であった。
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コメント
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私も本当に驚きましたし、感銘を受けました。
投稿: らら | 2014年12月14日 (日) 17時27分
水田 洋さんの名前がでて本当に懐かしく思いました。私の学生時代、彼は未だ40代、社会思想史特にアダムスミスの研究では日本の第一人者でした。
どちらかといえば左翼系で水田ゼミは就職には必ずしも有利でない?というような風評があったように記憶しています。その彼が98歳でご健在、かつ講演をされるほど矍鑠とされているとは驚きでした。
筋肉と同様、頭脳も毎日使い続けた方が長く持つのかもしれませんねえ。
投稿: toshi | 2014年12月14日 (日) 08時53分