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2014年11月28日 (金)

衝撃!「沈みゆく大国 アメリカ」を読んで―②―

 堤未果さんの「沈みゆく大国 アメリカ」は、オバマケアが国民の医療をよくするどころか、逆に悪くしてしまっている実情を明らかにした。医師は多忙と低賃金でなり手がなくなってきたし、利益が上げられないので病院の統合が進み、中間層や貧困層の医療が危機に面している。その一方で製薬会社は医療保険会社は大儲けをしているのだという。

  問題はアメリカの医療をウオール街の金融資本が支配し、金儲けの絶好の餌食にしているということである。

 日本の医療は憲法25条の「生存権」に基ずく社会保障の一環として行われ、その根底には「公平・平等」という理念が横たわっている。一方アメリカでは医療は「「ビジネスという位置づけだ。命は市場に並ぶ「商品」とされているのだ。(P.182)

  衝撃のその2は、アメリカの金融資本が日本をターゲットにしているということだ。

「ウオール街と経済界の支配されるアメリカ政府から日本への、医療市場開放の圧力、混合診療解禁や株式会社病院、保険組織の民営化、診療報酬改革、公的保険周辺の営利民間保険参入や投資信託など、すごいスピードで規制緩和を進める法改正の多さには驚愕した」(P.183)と書いている。

  ここで指摘されていることは、安倍政権によって進められてきていることである。TPPもアメリカの経済支配を確固としたものにするためにやろうとしていることなのだ。医師会が日本の医療がアメリカ型にされる「TPP」に反対しているのは、アメリカ化の後に来る悲惨さを予見するからなのだ。それはアメリカを見れば直ぐに分かることである。

  投資信託というのは、「ヘルスケアリート」と言われるもので、東京証券取引所で承認され、11月5日に上場されたという。私は全く知らなかった。医療・介護への営利参入を掲げる安倍政権の「成長戦略」の一つだというのだ。今後自治体病院などにも対象を広げられて行く方針だ。「営利」を目的に組まれ、運営され、そこにアメリカの金融資本が入り込むのだ。

  堤さんは、「リートは福祉ではなく、あくまでも投資商品だということだ。人員配置や料金設定、サービスの質などは、すべて利益拡大という目的に沿って決定されていく。利益が出ない場合は、人件費カットや利用料金値上げ、最悪の場合は売却されて、施設がなくなってしまう」(P.189)と指摘している。

  儲かることなら何でもやるという金融資本とそれを後押しする政府。私たちはここにも注目して衆議院議員選挙への態度を決めなければならない。 

 

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コメント

「拒否できない日本・・・」は読んでませんが、想像はつきます。アメリカの要求を次々受け入れてきたからです。アメリカのポチ日本にしたのは、歴代の自民党政権でした。

10年ほど前、若手評論家の関岡英之氏が「拒否できない日本ーアメリカの日本改造が進んでいる」という本を上梓し話題を呼んだ。アメリカの年次改革要望書をもとにアメリカの日本への内政干渉が進んでいるという衝撃的内容であった。その中に当然のことながら医療分野の規制緩和のことも含まれていたと記憶している。TPPの交渉が当初予想した以上に難航しているのも、日本としてはとても受け入れ難い内容が多々あるのかもしれない。その意味では
日本の交渉団はよくやっているというべきなのか、あるいはアリバイ作りのためなのか?終わってみないと分からない。

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