けん玉、折り紙、お手玉が脳にいい―ためしてガッテン
29日のNHK「ためしてガッテン」で、「けん玉」や「折り紙」や「お手玉」が受験や認知症によいと取り上げていた。頭に血流を測る装置をつけて、けん玉や折り紙やお手玉をやり、脳の働きを調べた効果を証明したものだ。
それによると、けん玉は集中力を作ることができるという。けん玉をやっているとき、脳の後頭部にある部分だけが働くのだが、そこは集中力をつかさどっているのだそうだ。けん玉をやっているときは脳の司令塔といわれる前頭前野周辺の活動がが抑えられ、必要な部分だけが働くのだという。
けん玉をして「集中モード」を覚えさせると、他の活動の時にも「集中モード」に切り替えやすくなるということだ。
受験塾でけん玉を取り入れているところがあり、集中力が高まる効果が出ているという。また、柔道のゴールドメダリストの古賀塾でも、稽古前にけん玉を取り入れて集中力を増しているという。
お手玉は、けん玉と違って前頭前野の活動を活性化させるという。そのやり方は、利き手でない方で投げて、利き手で受けるやり方でお手玉をすると効果があるというのだ。
あるクリニックでは、うつや不安障害の治療に、このお手玉の効果を取り入れていると紹介していた。イギリスでの研究では、ジャグリングを6週間すると、脳の神経細胞が6%増えたことが分かったという。
さらに前頭前野の活性化には、折り紙がけん玉よりすごい効果があることが分かった。折り紙をするとき手先を使い、完成形をイメージしながら折るなど、脳のさまざまな部分を使って行うため、脳の活性化によいというのだ。
これらの3つの遊びは、昔は誰でもやっていたものである。私が子どもの頃は、毎日家の近所で、女の子はお手玉をしていた。私たちは「おじゃみ」と言っていたが、主として女の子の遊びで、けん玉は男の子の遊びであった。折り紙は男女どちらもやっていた。
その他に、男の子は「ラムネ玉」(ビー玉のこと)や「しゃっけん」(しょうやのこと)などを盛んにやった。
ラムネ玉は相手の玉に当てるともらえるというもので、私は上手だったから大きな袋に一杯溜めこんでいた。相手に当てるには集中力がいるから、けん玉に近い効果があると思われる。
「しゃっけん」は小さな厚紙に画が描いてあるもので、相手のものをひっくり返すと自分のものにできるのであった。これも力技ではなく、物理的力の応用であった。
昔の子どもたちは、こうした伝統的な遊びをいつもやっていたのだが、ためしてガッテン式に考えると、脳の活性化や集中力のアップにとてもよい遊びであったことを今になって知るのである。
昔は子どもたちは外で遊んだし、伝承遊びが中心で頭や手をフルに活用し、しかも、多くの友達と群れて遊んでいたのだ。今の子どもは外で遊ばなくなり(遊べなくなりという面もあるが)、デジタルゲームで遊ぶのが主流だから、体力が落ちるだけでなく、脳力も落ちるのではないかと心配する。
私が教員の頃は、クラスに「けん玉」や「しょうや」や「おはじき」や「ビー玉」や「独楽」など伝承遊びの道具を置いて自由に遊ばせていた。脳の効果のことは知らなかったが、直感的に大事なことと思ってやったことであった。勉強だけでなく、遊びを通してよい効果を与えていただろうと嬉しくなった。
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