安倍政権のほころび
安倍内閣の目玉の女性閣僚が小渕優子経済担当相に続いて松島みどり法務相が辞任した。どちらも政治資金規正法に抵触することを想定して自ら辞任を決めたのだ。
5人いた女性閣僚のうち2人の辞任である。女性が活躍する社会を目指すという安倍首相の肝いりで大臣に任命された2人であった。
自民党内では今後の国会対策でやりにくくなるという見方があるとNHKニュースでは報じていたが、今の国会の状況からは野党はバラバラだから深い追及はできないと思われる。
2人の閣僚の後任にまた女性を任命するかと思ったら、法務大臣には上川陽子氏、経済産業相には男性の宮沢氏となり、女性閣僚が1人減った。安倍政権の看板の女性が輝くはどうなったのであろうか。
上川氏は女性が輝く社会をつくる自民党の女性活躍推進本部長であったが、法務大臣になり僅かの期間で務めが終わってしまった。自民党には輝くことができる女性の人材の不足を露呈してしまった。
しかし、国会で安定過半数を擁し、弱小野党の国会の中でやりたい放題の独断的政治を行ってきた安倍政権である。2人の女性閣僚の辞任ぐらいではびくともしないはずだ。それなのに安倍首相はしおらしく、「任命責任は私にある」と述べて、珍しく低姿勢である。ここで頭を低くしておけばダメージはないだろうとの思惑があるのだろう。
臨時国会の当初、集団的自衛権行使関係の法案を来年4月以降に先延ばしをしたので、今国会では無風状態だと言われた。そこへ今回の2閣僚辞任であるが、若干の波風は立つであろうが、野党がバラバラではほとんど期待ができない。残念なことだがどうすることもできない。
ただアベノミクスは、反対側からは予想されていたように一部大企業に恩恵を与えただけで、それ以外は8%への消費税増税後は経営や生活が苦しくなっている。地方創生というが何をどのように創生するのか道筋が見えて来ない。やがて破綻が誰の目にも分かるようになると思われる。
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民主党の失敗に学んで自民党内には安倍首相に従う空気が蔓延しているようで残念です。かつての自民党の派閥時代の方がまだよかったみたいですね。
投稿: らら | 2014年10月22日 (水) 10時32分
野党の追及はそれ程問題でないことはその通りだと思うが、この問題を契機に自民党の水も漏らさぬ結束に綻びが目立つようになるのではと思われる。今まで安倍政権の政権運営に対して党内から異論がでなかった。(あっても表にはでなかった?)これから消費税再増税にしても大きな議論を呼ぶことになる。いくらなんでも党内が一つにまとまるとは現実
には考えづらい。私は野党が当てにできない現在、自民党内で異論が明らかになり、議論を戦わせることはいいことだと思っている。
投稿: toshi | 2014年10月22日 (水) 07時32分