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2014年8月26日 (火)

高血圧はほっておくのがよい!?―②―

 高血圧の基準値は2000年から2008年までの8年で50も下がったと指摘している。(P.35)日本での基準値の変遷について概略次のように書いてある。

  1987年に厚生省は要治療の基準値を上180、下100にした。これは40歳以上の健康診断で用いられた数値で、「老人保健法による健康診査マニュアル」というのだそうだ。この数値は94年版でも変わっていないという。このマニュアルは2008年に始まった、「メタボ健診」の前身という。

  2000年までは、上180、下105までなら、3か月ほど様子を見ることになっていた。この間にいつ測っても160~90を超えていれば、初めて降圧剤を使って治療するのが一般的だったと書いている。(P.36)

  私が医者にかかった時は血圧測定で即降圧剤投与だったが、1987年ごろだったのに医者によって対応が違っていたのであろうか。

  1999年にWHO(世界保健機構)が基準値を160~95から140~90と一気に20も下げてしまった。日本でもそれにならい、2000年に新たなガイドラインをつくり、WHOの水準に近づけ、2004年にほぼ同じにしたというのだ。

  それが2008年にメタボ健診が始まるとさらに10下がって、130となり、現在に至っている。8年間で50も下げたというのはどう見ても異常だと述べている。根拠もかなり疑わしく、いろんな研究者から疑問の声が上がっているという。

  そもそもWHOの基準値も製薬会社が関わっているという。(P.37)WHOは予算の7割を製薬会社の寄付金に依存しているというから、製薬会社の圧力があったと思われても仕方がない。

  WHOというのは国際的な厳正中立の公的機関だと思っていたが、利権がからんだものと知って驚いている。

  日本での基準値改訂に伴う患者数の増加は脅威的である。(P.15)

        1987年   230万人

        2004年   1600万人

        2008年   3700万人

        2011年   5500万人

 2011年の国民健康・栄養国民調査では、日本国民の半数、成人の27.5%が降圧剤を飲んでいるというのだ。

 歳をとれば血管が硬くなったり血流がスムースでなくなったりするのは当たり前で、皮膚がたるみ、しわが増えるのと同じ老化現象である。それなのに高血圧基準値が老いも若きも同じであるというのはおかしい。

 昔は高血圧の目安を「年齢プラス90」と言っていたことがあった。それならば年齢が上がるにしたがって血圧基準値も比例して上がるので納得できる。せめて5歳刻みでもよいから年齢に応じた基準を設けるべきであろう。

 

 

 

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コメント

 医者は患者があってナンボの業界ですから、高血圧の基準が厳しいほど有難い訳で製薬業界はさらに儲かります。

現在の医療業界は本来健康な人も病人にして病院に来させないと採算が成り立たないとは例の近藤誠氏
の本に書いてある。普通の人は基準値に捕らわれるから、外れておれば心配になって病院に出かけて何らかの治療を受けるであろう。現に私は20年以上も
尿酸値の下がる薬を飲み続けている。ただ、健保財政は危機に瀕しているので、厚労省からは基準値を
緩やかにして医療費が増加しないようにする圧力が
強く働く。基準値が利害関係者の思惑に左右されて動くとなると、基準値の信頼性は大きく損なわれることになる。素人判断は危険であることを承知で言えば、基準値はその程度のものと思った方がよいかもしれない。

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