夏目漱石「こころ」に見る現代とは異なる言葉の読み
朝日新聞に夏目漱石の「こころ」が初連載の様式で連載されていて興味深く読んでいる。読んでいて気が付くのは、現代仮名遣いとは異なる仮名遣いである。
漱石の時代は作者が自由に勝手に読み方を作れたのかどうかは知らないが、高校生の頃学校の図書館で借りて読んだ明治の文豪の小説はいつでも誰でも私たちが勉強した現代仮名遣いとは異なるものであったことを思い出す。
昔の小説や他の本でも振り仮名を振ってあるものが多いが、漱石の小説は漢語なども多いので当然のようにルビ付きである。私などそういうものを通して漢字の読み方を知ったのであったが、最近「こころ」を読んでいて「待てよ、それでいいのか?」と疑問を持つようになった。
そうしたいくつかを挙げてみたいと思う。
◎包まれて→これは「くるまれて」と入力したらすぐに出てきたからいいのか。
◎判然(はっきり)
◎尤も(もっとも) 今は使うなら最も
◎美くしい→今は美しい
◎盲目(めくら)→今は差別用語だし、もうもくと読む
◎周囲(ぐるり)
◎四辺(あたり)
◎存生(ぞんしょう)
◎源因(げんいん)→今は原因
◎材幹→今は才幹
◎腸窒扶斯→腸チフス
◎幾何(いくら)
◎寐→寝
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コメント
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夏目漱石のこころは私も高校生の時に詠んで、「坊ちゃん」や「吾輩は猫であるの」のユーモアあふれる作風とはまったく異なり暗く、深刻な内容に驚いた記憶が残っています。作家、評論家、学者と2足も3足も草鞋を履きながらあれだけの作品を残した漱石は49歳の若さで亡くなっています。これでも明治の他の文豪に比べると長生きの方です。いかに当時の文豪が短期間に燃焼していたかの典型的な例です。それはさて置き、私が理想とするする生き方「高等遊民」という言葉は夏目漱石が造形した言葉だそうですが?
投稿: Toshi | 2014年7月20日 (日) 06時21分