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2014年5月 3日 (土)

若年女性に貧困層が増えているという

 街を歩いていると、おしゃれな格好をした若い女性が颯爽と歩いている。若い女性で貧しい身なりをした人を見たことがない。

 昔は貧富の差によって、見た目にもはっきりとこの人は金持ちか貧乏かが現れていた。今NHKでやっている「花子とアン」を見ると、明治時代は実にはっきりとしていたことが分かる。

 昔は、分相応の身なりや立居振舞をすることが大事とされていた。だから言葉遣いまでも身分により異なっていた。

 戦後は身分制度がなくなり、憲法の下に男女平等となった。それで外見や振る舞いなどでその人の貧富を測ることは難しくなった。

 ホームレスは明らかにそれと分かる身なりをしているが、そうでない人たちは外見でどんな職業かなどの判断が付けにくくなっている。

 NHKスペシャルの「調査~女性たちの貧困~新たな連鎖」を見て驚いた。若い女性の中に貧困層が広がっているというのだ。街を歩く外見からはどの人が貧困なのか見分けがつかない。きっと多くの貧困女性が混じっているのであろうと想像した。

 年収200万円以下の層が81.5%もあり、非正規雇用者の6割にを占めるというのだ。日本の貧困率は世界の中でも最下位の33位で50.8%だという。

 シングルマザーは124万人いて、その80%は年収が114万円以下だというのだから本当に驚いた。小さい子どもを抱えていてなかなか仕事に行きづらいからそうなるのだが、月収が10円にも満たなくてどうやって生活をしていくのかと思う。

 TVでは食べ物も1日1食でそれも僅かなものを分け合っている姿が紹介されていた。

 親の生活破綻で子どももどうしようもなくなり、貧困が連鎖しているというのだ。以前は子どもが家計の補助のために働いていたが、今は家計そのものの稼ぎ手となっているという。

 若い女性がネットカフェに寝泊まりしている様子も映されていたが、畳1畳もないところでどうやって睡眠をとるのだろうと不思議であった。今、ネットカフェを常住の場所にしている女性が増加しているのだという。ホームレスの1歩手前である。

 1987年には20%であった非正規雇用が今や47%にもなり、安い賃金でパートなどを掛け持って朝早くから夜遅くまで働き、それでも僅かな収入にしかならないと嘆いている姿を見て胸が痛んだ。

 NHKスペシャルでは、専門家のコメンテーターがコメントしていたが、残念ながら具体的な対策は語られなかった。

 バブルが崩壊し、以後長い低迷が続き、小泉政権の時の新自由主義経済政策で更に貧困層が増えたのは周知の通りである。

 その後民主党政権に期待が掛けられたがあっという間に裏切られてしまった。そして誕生した安倍政権であるが、貧困層対策は何もなく、反対に残業代ゼロとか首切自由とか企業だけを大事にする政策をとっている。

 安倍首相は女性の登用を声高に言っているが、それは一部のエリート向けのことであって、ほとんどの女性には無関係のことである。

 若い女性が虐げられる国では国力が落ちるばかりである。結婚などとんでもないと言っている若い女性たち。政府がいくら子どもを増やそうと言っても現実はどうにもならないのだ。

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コメント

 憲法25条の最低の文化生活が保障されたうえで自己責任を言ってほしいです。

ワーキングプア「働いても働いても豊かになれない」というNHKスペシャル番組が大きな反響を呼んでから既に8年を経過した。今回の女性の貧困の問題もその流れの一環である。湯浅誠氏が精緻に問題提起したワーキングプアの問題は何ら解決はしていないのだろうか。貧乏も自己責任、国に頼るのではなく先ず自助努力が大切という現政権の本音が聞えてくるような気がするが、、。

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